新・映像の世紀(4)「世界は秘密と嘘に覆われた~冷戦~」2021-07-09

2021-07-09 當山日出夫(とうやまひでお)

新・映像の世紀(4) 世界は秘密と嘘に覆われた~冷戦~

続きである。
やまもも書斎記 2021年7月2日
新・映像の世紀(3)「時代は独裁者を求めた」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/07/02/9393663

この回は、冷戦の時代のこと。二〇一六年の放送である。

東西冷戦が終わったときのことは、私の記憶のうちにあることである。ベルリンの壁の崩壊は、家にいて、テレビで見ていたと覚えている。自分が生きているうちに、共産主義国家の崩壊ということがあろうとは、それまで思ってもいなかった。半ば呆然としてニュースを見ていたように思う。

その後、旧共産圏国家の内情が明らかになってきたということがある。

私は、昭和三〇年(一九五五)の生まれである。冷戦の時代は、ものごころついてニュースなどに接するようになったときには、世界は、こんなものかと思っていた。記憶にある大きな出来事とえば、ケネディ暗殺のときのことぐらいからだろうか。

そして、この時代に生きてきたから覚えていることとしては、我が国においても、冷戦の時代は、共産主義を礼賛する声が、少なからずあったことである。共産主義こそが正義である、そういってもいい主張が、どうどうとまかりとおっていた。このことは、私は、忘れないでおこうと思っている。かつて、日本において、共産主義を礼賛していたメディアが、今ではどのようなことを語っているか、ニュースを見るとき、どうしても忘れることができない。

冷戦とはいっても、戦争がなかったわけではない。東西陣営の代理戦争というべきものはあった。その代表が、ベトナム戦争ということになる。このベトナム戦争のことについて、旧「映像の世紀」のときには、一回をつかってあった。

やまもも書斎記 2021年5月28日
映像の世紀(9)「ベトナムの衝撃」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/05/28/9382039

このときに思ったこと。再放送を見て感じたことは書いた。その目で見てみるならば、であるが、今回の「新・映像の世紀」では、以前、物足りなく思ったところが、十分に語られていたと思う。ベトナム戦争もまた、東西陣営の代理戦争であり、ベトナムの人びとにとってはアメリカもまた侵略者であった。そして、それに協力することになった日本の存在。

ただ、さら書いてみるならば、ベトナム戦争における、韓国と中国のことがまったく触れることがなかった。放送の時間がなかったといえば、それまでであるが、今の時点から、ベトナム戦争のことを振り返ってみるならば、アジアの諸国においてどうであったか、さらに広い視点から考えることになるだろうと思う。

まったく余計なこととしては、冷戦の時代、この時代背景をもとにして、多くのスパイ小説が書かれたということがある。生来のミステリ好きとしては、スパイ小説のいくつかも読んできている。そう思ってみると、この時代を舞台にして、今日の視点から、新たなエンタテイメントとしてのスパイ小説が書かれることもあるだろうかとも、思っている。

そして、この放送の最後に登場していたのは、オサマ・ビンラディンであった。ソ連のアフガニスタン侵攻と、それに対する、反ソ連勢力へのアメリカの援助……それが、結果的に、その後の歴史を動かすことになっていく。まさに、憎悪の連鎖である。

2021年7月6日記

追記 2021年7月16日
この続きは、
やまもも書斎記 2021年7月16日
新・映像の世紀(5)「若者の反乱が世界に連鎖した」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/07/16/9398517

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