プロジェクトX「オートフォーカスカメラ」2021-07-17

2021-07-17 當山日出夫(とうやまひでお)

プロジェクトX オートフォーカスカメラ 14年目の逆転劇

続きである。
やまもも書斎記 2021年7月10日
プロジェクトX「妻に贈ったダイニングキッチン」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/07/10/9396482

カメラというものは、ある意味では日本の特産品のようなところがある。そのカメラの歴史の中では、いくつかの画期的な製品、技術が登場してきている。そのうちの一つが、オートフォーカスカメラということになる。

子どものころからのカメラ好きである。そのせいもあって、使っていたのは、一眼レフが主だった。そのため、35ミリコンパクトカメラというのは、あまり使ったことがない。

そもそも、コンパクトカメラの開発自身が画期的であったともいえる。

オートフォーカスコンパクトカメラを最初に出したのが、コニカであったことは、この番組(再放送)を見るまで忘れていた。(ミノルタがオートフォーカス一眼レフα7000を出したときのことは、かなりはっきり覚えているのだが。)

ただ、オートフォーカスの技術の核になる部分は、アメリカのハネウェル社のものであったことは、いたしかたのないことかもしれない。だが、それを使って製品化にこぎつけたのは、コニカの技術力であり、その仕事に携わった技術者の努力である。

そういえば、ミノルタがα7000を出したとき、これも、オートフォーカスの技術のコアの部分について、ハネウェル社との間で、特許権をめぐって問題がおこったはずである。

だが、そのコニカもミノルタも、今はない。一緒になってコニカミノルタになったものの、カメラ事業からは、撤退してしまった。その流れは、今では、ソニーが受け継いでいることになる。

そして、35ミリコンパクトカメラというものが、すでにこの世から姿を消してしまっている。いや、フィルムカメラそのものが、もう過去のものになってしまっている。

番組は、二〇〇〇年の放送であるから、そろそろデジタルカメラの時代になっていたころになる。(おそらく、デジタルカメラの開発をめぐっても、いろいろと興味深いドラマがあるのだろうと思う。)

今、日本のカメラ産業は転換期であるともいえよう。象徴的なこととしては、ニコンが、日本国内での工場での組み立てを終了するということがある。一眼レフについていえば、いわゆるミラーレスの方向に大きく舵をきっていくことになるだろう。いまだに、ニコンの一眼レフを使いつづけているような、(私のような)人間は、時代遅れかもしれない。

カメラの歴史、写真の歴史も、また日本の近代の生活誌の一コマということで、この番組も興味深いものであった。

2021年7月14日記

追記 2021年7月24日
この続きは、
やまもも書斎記 2021年7月24日
プロジェクトX「トランジスタラジオ」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/07/24/9401070