『野呂邦暢ミステリ集成』野呂邦暢 ― 2021-08-03
2021-08-03 當山日出夫(とうやまひでお)
野呂邦暢.『野呂邦暢ミステリ集成』(中公文庫).中央公論新社.2020
https://www.chuko.co.jp/bunko/2020/10/206979.html
野呂邦暢を読んでおきたくなって手にした。ミステリ……これはかなり広義にとらえた方がいいだろう……関連の作品をあつめてある。
読んで思うことは、なるほどかつてはこのような時代があったなあ、ということになる。「推理小説」という形式の文学が、戦後の日本のなかで、広く受容されるようになったころ……それを代表するのが、松本清張のころといっていいと思うが……の作品といっていいのだろう。今から読むならば、このアンソロジーの作品は、どことなく古めかしい。
今、新しい時代の小説家が、ミステリに手をつけるとなると、もうちょっと違ったアプローチをするだろうと思う。だが、これはこれで、時代のなかにおいて考えるべきことになるだろう。
そうはいっても、これはいいと思ったのが、「剃刀」という作品。小品だが、切れ味のいい作品にしあがっている。
野呂邦暢の作品は、他にも今でも読めるものがいくつかある。これから折りを見て読んでみようかと思う。
2021年7月27日記
https://www.chuko.co.jp/bunko/2020/10/206979.html
野呂邦暢を読んでおきたくなって手にした。ミステリ……これはかなり広義にとらえた方がいいだろう……関連の作品をあつめてある。
読んで思うことは、なるほどかつてはこのような時代があったなあ、ということになる。「推理小説」という形式の文学が、戦後の日本のなかで、広く受容されるようになったころ……それを代表するのが、松本清張のころといっていいと思うが……の作品といっていいのだろう。今から読むならば、このアンソロジーの作品は、どことなく古めかしい。
今、新しい時代の小説家が、ミステリに手をつけるとなると、もうちょっと違ったアプローチをするだろうと思う。だが、これはこれで、時代のなかにおいて考えるべきことになるだろう。
そうはいっても、これはいいと思ったのが、「剃刀」という作品。小品だが、切れ味のいい作品にしあがっている。
野呂邦暢の作品は、他にも今でも読めるものがいくつかある。これから折りを見て読んでみようかと思う。
2021年7月27日記
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