『青天を衝け』あれこれ「パリの御一新」2021-08-17

2021-08-17 當山日出夫(とうやまひでお)

『青天を衝け』第24回「パリの御一新」
https://www.nhk.or.jp/seiten/story/24/

前回は、
やまもも書斎記 2021年7月20日
『青天を衝け』あれこれ「篤太夫と最後の将軍」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/07/20/9399807

オリンピックをやっている間に、明治維新になってしまった。

久しぶりの放送である。オリンピックのため、三回ほどの中断があった。この回を見て思うことなど、書いてみると、次の二点ぐらいだろうか。

第一に、明治維新。

これまで明治維新は、多くのドラマで描かれてきている。それを、その当時、海外……パリ……にいたものの視点から描くというのは、これはこれとして、非常に興味深いものであった。むしろ、日本にいて、その動乱の渦中にいるものの視点で見るよりも、巨視的に時代の流れというものを描くことに成功したといえるかもしれない。

それにしも、パリ万博にやってきて、西洋の文明に驚いているばかりの栄一たちにとって、はるか故郷の政変は、唐突なできごとであり、また、どうしようもないもどかしさを感じるものでもあった。

第二に、新しい経済。

パリで栄一は、社会の経済の仕組みを学ぶ機会を得ることになる。公債の運用であり、社会資本の構築である。ここで、栄一は、新しい社会の経済の仕組みを、身をもって体験することになる。これが、日本に帰国してからの渋沢栄一の活躍の土台になることは、確かなことなのだろう。

以上の二点のことを思ってみる。

そして、パリにあって、栄一は愛国者である……このことばはドラマでつかってはいないが……国のことを思って、パリに来ていることの意味を再確認しようとしている。

次週、栄一たちは帰国し、日本では名維新の動乱がつづくようだ。この時代、たまたまパリにいたということが、栄一にどのような影響を与えることになるのか、今後の展開のなかで描かれることになるのだろう。栄一の目で見た、新しい日本とはどのようなものであったのか、希望をいだくことになるのか、それとも絶望か。どのようになるか、楽しみに見ることにしよう。

2021年8月16日記

追記 2021年8月24日
この続きは、
やまもも書斎記 2021年8月24日
『青天を衝け』あれこれ「篤太夫、帰国する」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/08/24/9414504