『青天を衝け』あれこれ「栄一、改正する」2021-10-05

2021-10-05 當山日出夫(とうやまひでお)

『青天を衝け』第29回「栄一、改正する」
https://www.nhk.or.jp/seiten/story/29/

前回は、
やまもも書斎記 2021年9月28日
『青天を衝け』あれこれ「篤太夫と八百万の神」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/09/28/9427662

明治になったが、新政府のドタバタ騒ぎはつづいている。この週を見て思ったことなどとしては、次の二点ぐらいだろうか。

第一には、改正掛。

栄一は、新しい国家建設ということを考えている。そのためには、既存のいろんな制度の枠組みをこえて、新しいことを企画し実行する部署が必要になる。そのため、改正掛というのをつくることになる。この改正掛で、いくつかの新しい事業を進めることになった。

しかも、ここには、討幕の側の薩長のみならず、旧幕臣も多く加わることになる。この人材がなければ、明治新政府はどうなっていただろうか……というあたりのことであった。

しかし、この改正掛も、大久保や岩倉の目には、よくうつっていないようだ。

第二は、郵便制度。

具体的に、改正掛の仕事として描かれていたのは、郵便制度の設立。これも、まったく新しく作ったという側面(欧米の制度を参考にしてということもあるが)、その一方で、旧来の江戸時代からのさまざまな社会的インフラのうち、使えるものは使うということでもあったろう。

ともあれ、前島密の発案ということで、郵便事業がはじまる。

そういえばであるが、「郵」という漢字は、郵便以外ではあまりつかうことのない漢字でもある。この漢字の使用、命名の発案ということも、改めて考えてみたりしたことでもある。

以上の二点が、この回を見て思ったことなどである。

渋沢は語っていた……壊すのではなく、作るのである、と。これからの明治の時代、そして、大正から昭和にかけて、渋沢栄一の生涯は、新しい日本の国家、経済、社会を作っていくことだったのだろうと思う。(その渋沢栄一も結果的には、昭和のはじめに亡くなり、戦争の時代を見ることはなかったのだが。)

次週以降、さらに明治編はつづくことになる。このドラマの放送も、三ヶ月ということになった。どのような近代をきずいていくことになるのか、楽しみに見ることにしよう。

2021年10月4日記

追記 2021年10月12日
この続きは、
やまもも書斎記 2021年10月12日
『青天を衝け』あれこれ「渋沢栄一の父」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/10/12/9431445

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