映像の世紀プレミアム(9)「独裁者 3人の“狂気”」2021-10-08

2021-10-08 當山日出夫(とうやまひでお)

映像の世紀プレミアム(9) 独裁者 3人の“狂気”

再放送である。これも録画しておいて、後になってからゆっくりと見た。たしか、この放送は見たと覚えている。そのときのことは、書いたかと思うので、あまり重複することは繰り返さないことにするが、思ったことなど思いつくままに書いてみる。

やまもも書斎記 2018年6月18日
映像の世紀プレミアム「独裁者3人の“狂気”」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/06/18/8896694

同じことは繰り返し書きたくないとは思うものの、やはり再放送を見て思うこととしては、スターリンのヒトラーの評価のことがある。ムッソリーニのイタリアは、内部から崩壊した。スターリンのソ連は、スターリンの時代に崩壊ということはなかったが、その後内部からの崩壊ということになった。東欧諸国も同様である。

だが、独裁者であるヒトラーがひきいたナチス・ドイツは、内部からの崩壊はなかった。たしかに、歴史を見れば、反ヒトラーの動きはたしかにあった(放送では、ここのところには触れることがなかったが。)しかし、ナチスが消えたのは、戦争に負けたからであり、その内部からの反独裁の動きで潰えたというのではない。

これは、ヒトラーの統治のたくみさといっていいのだろう。今の歴史の評価として、ヒトラーを評価することはない。しかし、その統治の手法は、きわめてたくみであり、今日においても、研究の必要のあるところだろう。ただ、悪の独裁者と烙印をおしてしまえばいいというものではない。

それから、思うことは、独裁政権は崩壊するということである。(上述のように、ヒトラーだけは、例外的に考えるべきかもしれないが。)

番組は、ルーマニアのチャウシェスク政権の崩壊からはじまっていた。そして、主に、ムッソリーニ、ヒトラー、スターリンと描いてきて、最後のところに登場したのは、プーチンだった。そのプーチンの横に並んで映っていたのは、習近平であった。(ただ、ナレーションは、このことについては一切ふれていなかったが。)

スターリンの時代、そこにすりよってきたのは、また、独裁者たちだった。チトー、キム・イルソン、毛沢東、など。

そのスターリンの時代において、あるいは、スターリンの死後においても、社会主義国ソ連を賛美する声がなくなったということはない。東西冷戦の時代、社会主義賛美の声は、非常に大きなものがあったと、私などは記憶している。

二一世紀になった今も、独裁の国家は世界に多数ある。民主主義より、独裁の方が効率的に統治できるということなのかもしれない。さて、世界に多くある独裁国家が崩壊するとして、その様子を、生きているうちに、報道などで接することがどれほどあるだろうか。年をとったと感じる今になっては、このようなことを思ってみるのである。

2021年10月7日記

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