『気狂いピエロ』ライオネル・ホワイト/矢口誠(訳)/新潮文庫 ― 2022-06-10
2022年6月10日 當山日出夫(とうやまひでお
)

ライオネル・ホワイト.矢口誠(訳).『気狂いピエロ』(新潮文庫).新潮社.2022
https://www.shinchosha.co.jp/book/240191/
これは、映画の方が有名だろう。ゴダールの映画である。ただ、私は見たことはない。しかし、名前は知っている。まあ、それほど有名な映画ということになる。
その原作の小説の翻訳ということで読んでみたのだが、これが面白い。文庫本の紹介文には、ノワールとある。確かに犯罪小説ではある。だが、そんなに暗い印象はない。むしろ、あっけらかんと明るい。
どうしようもない男と、なぞの若い女性。犯罪と逃避行。次々と起こる事件と犯罪。あれよあれよというまに話しは展開していく。ほとんど一気に読んでしまった。私としては、この小説を読んで、ある種の滑稽みのようなものを感じたのだが、どうだろうか。読みようによっては、破天荒なスラップスティックとしても読めるような気がする。
ところで、この『気狂いピエロ』という名前をいつ覚えたのだろうか。学生のころから知っていたようには思う。だが、何で名前を見たのかというようなことはさっぱり忘れてしまっている。映画史上に名高い傑作ということで、どこかで憶えたのだろう。
映画の方はともかくとして、これは、小説として読んで面白い。犯罪小説の系譜、あるいは、『ロリータ』などの作品の系譜につらなるものとして、文学史的にはいろいろと考えるところがあるのだろうと思う。が、ここは、楽しみの読書と割りきって、読んで面白ければいいとしておきたい。
2022年6月1日記
https://www.shinchosha.co.jp/book/240191/
これは、映画の方が有名だろう。ゴダールの映画である。ただ、私は見たことはない。しかし、名前は知っている。まあ、それほど有名な映画ということになる。
その原作の小説の翻訳ということで読んでみたのだが、これが面白い。文庫本の紹介文には、ノワールとある。確かに犯罪小説ではある。だが、そんなに暗い印象はない。むしろ、あっけらかんと明るい。
どうしようもない男と、なぞの若い女性。犯罪と逃避行。次々と起こる事件と犯罪。あれよあれよというまに話しは展開していく。ほとんど一気に読んでしまった。私としては、この小説を読んで、ある種の滑稽みのようなものを感じたのだが、どうだろうか。読みようによっては、破天荒なスラップスティックとしても読めるような気がする。
ところで、この『気狂いピエロ』という名前をいつ覚えたのだろうか。学生のころから知っていたようには思う。だが、何で名前を見たのかというようなことはさっぱり忘れてしまっている。映画史上に名高い傑作ということで、どこかで憶えたのだろう。
映画の方はともかくとして、これは、小説として読んで面白い。犯罪小説の系譜、あるいは、『ロリータ』などの作品の系譜につらなるものとして、文学史的にはいろいろと考えるところがあるのだろうと思う。が、ここは、楽しみの読書と割りきって、読んで面白ければいいとしておきたい。
2022年6月1日記
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