世界サブカルチャー史 欲望の系譜 「アメリカ 葛藤の80s」2022-06-30

2022年6月30日 當山日出夫

世界サブカルチャー史 欲望の系譜 「アメリカ 葛藤の80s」

土曜日の放送。録画しておいて後日にゆっくりと見た。

前回の七〇年代と比べて思うことは、知っている映画が少なくなっていることである。八〇年代以降になると、自分で振り返ってみても、あまり映画を見なくなった。社会的に話題になり、流行というような映画もあったことは確かなのだが、学生だった七〇年代ほどには映画を見ていない。そのせいか、映画を軸にサブカルチャーの歴史を論じるというスタイルに、今一つついていけない印象が残ってしまった。

あるいは、もはや八〇年代になると「サブカルチャー」という概念自体が、あまり意味をなさないものになってきていたのかもしれないと思わないでもない。その前の七〇年代であれば、「カウンターカルチャー」として、存在意義があった。それが薄れてしまっては、そこから時代を読み解くのは難しだろうか。

それでも、マドンナが女性の権利を後退させたというあたりは、なるほどそうだろうと思う。また、この時代になってもベトナム戦争のことが影を落としていた。

この八〇年代の終わりの方で、ベルリンの壁の崩壊のことが少しだけ出てきていた。私は、これこそ、もうちょっと大きく取り上げられていいことのように思う。「世界」の「サブカルチャー」が歴史を動かすことがあったとすれば、その一つは、ベルリンの壁の崩壊ということにつながる動きだろうと思っている。これは、サブカルチャーというよりも、東側諸国に浸透してきた西側文化をめぐるメディア論として論じるべきことかもしれない。

2022年6月28日記