『鎌倉殿の13人』あれこれ「全成の確率」2022-08-09

2022年8月9日 當山日出夫

『鎌倉殿の13人』第30回「全成の確率」
https://www.nhk.or.jp/kamakura13/story/30.html

前回は、
やまもも書斎記 2022年8月2日
『鎌倉殿の13人』あれこれ「ままならぬ玉」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/08/02/9514224

この回で全成が死ぬことになる。このこと自体は史実であるとして、その背景に鎌倉殿をめぐる権力闘争と呪詛のことをからめてきたのが、このドラマの脚本の巧さと言っていいだろう。

ドラマにおいては、義時が主人公という位置づけだから、そう悪く描くことはない。その対比で、悪役になっているのが、比企。鎌倉殿の権力を奪おうとしているかのごとくである。

だからといって、義時の方がまったく善であるかというとそうでもないようだ。御家人たちの権力闘争のなかにあて、なんとか北条を生きのびさせようと、これはこれで、いろいろと深謀遠慮をめぐらすことになる。ひょっとすると、このドラマで一番の悪人は、義時であるのかもしれない。

ところで、この回でよかったのは、実衣(宮澤エマ)。全成は死んでしまうことになったが、これから先、ドラマで出番があるだろうか。

そして、ちょっとだけ出てきていたが、善児のことが興味深い。義時のもとに仕えることになったのだが、この善児を義時は、これからの時代の動乱のなかでどのように使っていくことになるのだろうか。(この回には登場していなかったが、前回出てきていたトウのことも気になる。)

さて、次回以降、北条と比企の対立の続きとなるようだ。歴史の結果としては分かっていることだが、ドラマとしては、この続きがどうなるか気になる。楽しみに見ることにしよう。

2022年8月8日記

追記 2022年8月16日
この続きは、
やまもも書斎記 2022年8月16日
『鎌倉殿の13人』あれこれ「諦めの悪い男」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/08/16/9518010