ザ・バックヤード「国立映画アーカイブ」2022-09-17

2022年9月17日 當山日出夫

ザ・バックヤード 国立映画アーカイブ

若いころ、もう半世紀近く以前のことになるが、東京での学生のとき、京橋のフィルムセンターにはかなり通ったことがある。ちょうどその当時、「ぴあ」が刊行されはじめたころであった。見て、フィルムセンターの存在を知った。(その「ぴあ」も今ではもうない。)

そのころ、フィルムセンターの存在自体がそれほど知られてはいなかった。行っても、たいていガラガラであった。通って、チャップリンの初期の無声映画とか、往年の仏蘭西映画の名作とか見たものである。「天井桟敷の人々」を見たのも憶えている。

どうでもいいことかもしれないのだが、京橋から銀座の方に歩くときの夜景が美しかった。映画を見ての帰りは、夜景を見ながら銀座まで歩いたものであった。

ここで火災があったのを知ったのは、東京をはなれてかなりたったころだったろうか。

今の国立映画アーカイブになってからは、行ったことがない。その存在は知っていたが。いや、もう映画自体を見なくなってしまったと言った方がよい。(そういえば、神保町の岩波ホールも閉館してしまった。)

興味深かったのは、修復の作業。文化財の修復は、あくまでも仮のものである。将来、より高度な修復技術が登場したときには、それに対応してさらに再修復するために、今の修復は仮のものとして行っておく。この考え方は、文化財について、非常に重要な観点になる。

2022年9月15日記