『らんまん』あれこれ「バイカオウレン」2023-04-09

2023年4月9日 當山日出夫

『らんまん』第1週「バイカオウレン」

『らんまん』のHPを見ると、これまでの朝ドラHPにあった「あらすじ」のコーナーが見当たらない。少なくとも独立した存在ではなくなったようだ。HPの作り方の方針が変わったようだ。

牧野富太郎がモデルである。牧野富太郎の名前は若いときから知ってはいたが、どんな人物であったのかはほとんど知らない。独学の人、在野の人であったという程度の認識である。

学生のとき、国語学の講義で金田一春彦先生に習った。そのときに牧野富太郎の名前が出てきた。金田一先生が若いとき、牧野富太郎の植物観察会に出席していたときのことが、なんどか話しの中に出てきた。その時のエピソードなど、いくつか覚えている。また、たしか、国語学会の講演会であったろうか、金田一先生の話しで、日本語の植物名のことがテーマであったことを記憶している。

たぶん、私と同じような体験を持っている国語学、日本語学の研究者は多いのではなかろうかと思う。

また、牧野富太郎には、おそらく近代以前からの本草学の知見が流れ込んでいるであろうことも、推察できる。本草学という分野は、扱い方にもよるが、日本語史とその文献研究の領域の一つと言ってもよいかもしれない。

ところで、第1週を見たところで思うことを書いてみると、さすがに牧野富太郎をモデルにしたドラマだけのことはあると思ったところがある。それは、主人公の万太郎が、地面から植物を採るとき、根をふくめて採っていることである。普通なら、花を摘むとき、茎を折って地面から上の部分だけを採る。しかし、このドラマではそうしていない。オオバコを採るときでも、根から引き抜いていた。

さて、次週以降、土佐での物語はつづくようである。楽しみに見ることにしよう。

2023年4月8日記