NHK「犬神家の一族」(後編)2023-05-06

2023年5月6日 當山日出夫

横溝正史の原作から、このようなドラマの結末をみちびくことも可能なのか、と感慨深く思ってみた。おそらく、これはこれとしてミステリドラマとしては秀逸である。

しかし、そうなると、「スケキヨ」を殺して湖に逆さにしたのは、いったいいつ誰がどのようにして、という気になってしまう。このあたりは、原作から改変した部分となるのだろう。が、録画してあるのをもう一度見なおしてみようとか、原作をもう一回読みなおしてみようとか、という気にはならないでいる。じっくりと読みなおして、見なおしてみれば、さらにいろいろと面白いことがあるにちがいないとは思う。

前編でも書いたが、松子は、「犬神」の名前を与えられなかったと語っていた。だが、戦場で、佐清は「犬神」を名乗っていたらしい。兵士の苗字が、戸籍と異なるはずはないと思う。であるならば、松子も佐清も、「犬神」姓であったということになるが、はたしてこのあたりの整合性はどうなるのだろうか。

たぶん、このドラマは何か賞に値するかと思う。ドラマとしては、非常によく出来ている。

残念なことに、私は、角川の市川崑監督の映画を見ていない。これを見ていれば、映画版とどう違っているのか、さらに面白いところがあるにちがいないと思う。

2023年5月1日記

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