100分de名著「林芙美子“放浪記” (2)お人好しの嫌われ者」 ― 2023-07-13
2023年7月13日 當山日出夫
100分de名著「林芙美子“放浪記” (2)お人好しの嫌われ者」
『放浪記』は何度か読んでいるのだが、社会の底辺で生きる女あるいは女たちのしたたかさを感じたものである。社会の底辺というが、『放浪記』に出てくるのは、カフェーの女給ぐらいである。(ちなみに、今、ATOKで「じょきゅう」からは返還してくれなかった。もう今では使わないことばになってしまっているということなのだろうか。)
言うまでもないが、女給は、ウエイトレスのようなものではない。せいぜいよく言っても、娼婦の一歩手前ぐらいだろうか。
その女性たちのなかにあって、文学への気持ちを失わないでいる主人公の気持ちにひかれるところがある。
たしかに『放浪記』には、あまりいい男は出てきていないと憶えている。惨めな生活をしているから、ろくでもない男たちがやってくるのか、それとも、主人公の男を見る目がシニカルにすぎるのか。
番組のなかでは、林芙美子の詩が少し紹介されていた。『放浪記』を読むと、実に多くの詩が出てくる。それ以外にも、文章それ自体が、非常に詩的である。詩情に満ちた文章としての『放浪記』という側面も、私は強く感じる。
2023年7月12日記
100分de名著「林芙美子“放浪記” (2)お人好しの嫌われ者」
『放浪記』は何度か読んでいるのだが、社会の底辺で生きる女あるいは女たちのしたたかさを感じたものである。社会の底辺というが、『放浪記』に出てくるのは、カフェーの女給ぐらいである。(ちなみに、今、ATOKで「じょきゅう」からは返還してくれなかった。もう今では使わないことばになってしまっているということなのだろうか。)
言うまでもないが、女給は、ウエイトレスのようなものではない。せいぜいよく言っても、娼婦の一歩手前ぐらいだろうか。
その女性たちのなかにあって、文学への気持ちを失わないでいる主人公の気持ちにひかれるところがある。
たしかに『放浪記』には、あまりいい男は出てきていないと憶えている。惨めな生活をしているから、ろくでもない男たちがやってくるのか、それとも、主人公の男を見る目がシニカルにすぎるのか。
番組のなかでは、林芙美子の詩が少し紹介されていた。『放浪記』を読むと、実に多くの詩が出てくる。それ以外にも、文章それ自体が、非常に詩的である。詩情に満ちた文章としての『放浪記』という側面も、私は強く感じる。
2023年7月12日記
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