ETV特集「消えた故郷へ帰るとき」2023-07-18

2023年7月18日 當山日出夫

ETV特集 消えた故郷へ帰るとき〜高知・椿山 50年の記録〜

日本の国で人びとがどのように暮らしてきたのか、いろいろと考えるところがあった。

見ていて思ったことのひとつとして、米や水田が出て来なかったことがある。米作とは関係ない、山に住む人びとであったことが知られる。山で焼き畑をおこなう人びとの暮らしである。穀物としてとれるのはヒエやアワということになる。

つい数十年前まで、このような暮らしが実際にあったことになる。その村落も、もう滅亡の寸前である。いやもう廃村になっているのだが、そこに愛着をもち、なんとか最期を見届けようという人が幾人かいる。

昔の生活の記録映像は、とても貴重なものである。

それから感じたこととしては、この村でおこなわれたきた先祖供養の形式だが、位牌の記し方を見ると、神仏習合という感じがする。伝えられてきた祖先祭祀の信仰もまたとだえようとしている。また、山里の寒村という場所にしては、墓が立派に作ってあった。このあたり民俗学的には、いろいろと興味深いところかと思う。

2023年7月17日記

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