フロンティア「ファッションの未来」 ― 2024-05-31
2024年5月31日 當山日出夫
フロンティア ファッションの未来
ここ数年、ネクタイなどしめたことがない。スーツを着たのは、もう十年以上前になるか、いや、もっとになるかもしれない。隠居というか、ほとんど世捨て人のような生活をしているので、着るものにはほとんど関心がない。
しかし、この番組はいろいろと面白かった。
まず、アフリカのコンゴの男性。きちっとしたファッションで外出している。いったい何のために出ているのかは知らないが、たしかにファッションとしてはきまっている。こんな人たちがいるのか、というのが素直な驚きでもあった。
チリの砂漠が、服のゴミ捨て場になっていることは知らなかった。日本のみならず世界で、多くの衣類が廃棄処分されていることは知識としては知っていたが、それがどんなふうに捨てられているのか、知らなかったことである。
廃棄される服のうち、リサイクルされているものは、少ないという。
何故、人間は衣服をまとうのか。心理学の実験で、着る服によって認知能力が異なるというのは興味深い。だからこそ、医者は白衣を着ているのであり、軍人は軍服を着ているということになるのだろう。また、衣服というのは、人間の文化そのものであるともいえる。ただ、暑さ寒さをしのぐための機能だけのものではない。
遺伝子操作した微生物で作ったタンパク質で、衣服の新たな素材を作り出す試みは、とても興味深い。これは実用化できるところまで来ているようだ。(おそらく、微生物によるタンパク質製造は、衣類以外にも、他の素材、原料として、有効なものがあるのだろうと思う。むしろ、これらの方に期待したいとも思う。)
フランス、それから、EUでの、アパレルメーカに対して、製品を廃棄してはいけないという法律。これは、こんご世界でどうなるだろう。日本でも、同様の取り組みがはじまるだろうか。
服の生産ということでは、中国をはじめ、いわゆるグローバルサウスの国々がになっていることかと思うのだが、はたして、これらの国々での実際のとりくみはどうなるのだろうか。
混紡繊維をもとの原材料に分離する技術は興味深い。香港で開発しているとのことである。このような技術について、他の国々では、どのような技術開発の取り組みがあるのだろうか。
もうこれから、新しく自分の服を買うことはあまりないと思う。下着ぐらいは新しいのを買うだろうが。服というものが、環境問題であることを、多くの人びとが意識するようになればと思う。
ファッションは社会へのメッセージである、ということが重要なことだろう。
普通、NHKは企業の名前は出さないで番組を作ることが多いのだが、この番組では名前を明示していることが多かった。これは妥当なことだと思う。
ただ、服の廃棄、リサイクルという問題と、なぜ人間は服を着るのかということが、うまくつながっていなかった。それぞれのことは非常に興味深いのだが、全体としてバラバラな印象があったことはいなめない。
2024年5月29日記
フロンティア ファッションの未来
ここ数年、ネクタイなどしめたことがない。スーツを着たのは、もう十年以上前になるか、いや、もっとになるかもしれない。隠居というか、ほとんど世捨て人のような生活をしているので、着るものにはほとんど関心がない。
しかし、この番組はいろいろと面白かった。
まず、アフリカのコンゴの男性。きちっとしたファッションで外出している。いったい何のために出ているのかは知らないが、たしかにファッションとしてはきまっている。こんな人たちがいるのか、というのが素直な驚きでもあった。
チリの砂漠が、服のゴミ捨て場になっていることは知らなかった。日本のみならず世界で、多くの衣類が廃棄処分されていることは知識としては知っていたが、それがどんなふうに捨てられているのか、知らなかったことである。
廃棄される服のうち、リサイクルされているものは、少ないという。
何故、人間は衣服をまとうのか。心理学の実験で、着る服によって認知能力が異なるというのは興味深い。だからこそ、医者は白衣を着ているのであり、軍人は軍服を着ているということになるのだろう。また、衣服というのは、人間の文化そのものであるともいえる。ただ、暑さ寒さをしのぐための機能だけのものではない。
遺伝子操作した微生物で作ったタンパク質で、衣服の新たな素材を作り出す試みは、とても興味深い。これは実用化できるところまで来ているようだ。(おそらく、微生物によるタンパク質製造は、衣類以外にも、他の素材、原料として、有効なものがあるのだろうと思う。むしろ、これらの方に期待したいとも思う。)
フランス、それから、EUでの、アパレルメーカに対して、製品を廃棄してはいけないという法律。これは、こんご世界でどうなるだろう。日本でも、同様の取り組みがはじまるだろうか。
服の生産ということでは、中国をはじめ、いわゆるグローバルサウスの国々がになっていることかと思うのだが、はたして、これらの国々での実際のとりくみはどうなるのだろうか。
混紡繊維をもとの原材料に分離する技術は興味深い。香港で開発しているとのことである。このような技術について、他の国々では、どのような技術開発の取り組みがあるのだろうか。
もうこれから、新しく自分の服を買うことはあまりないと思う。下着ぐらいは新しいのを買うだろうが。服というものが、環境問題であることを、多くの人びとが意識するようになればと思う。
ファッションは社会へのメッセージである、ということが重要なことだろう。
普通、NHKは企業の名前は出さないで番組を作ることが多いのだが、この番組では名前を明示していることが多かった。これは妥当なことだと思う。
ただ、服の廃棄、リサイクルという問題と、なぜ人間は服を着るのかということが、うまくつながっていなかった。それぞれのことは非常に興味深いのだが、全体としてバラバラな印象があったことはいなめない。
2024年5月29日記
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