「夢は、交通事故ゼロ〜自動ブレーキへの挑戦〜」2024-06-26

2024年6月26日 當山日出夫

新プロジェクトX 夢は、交通事故ゼロ〜自動ブレーキへの挑戦〜

今、私の乗っている自動車にも自動ブレーキは搭載されているが、作動したことはない。だが、無駄な装備だと思うことはない。安全のために必要なものだと思っている。(そういえば、かつてはABSもオプション設定だった。)

この番組は、旧作をふくめてそうなのだが、企業内における上司と部下ということに重きを置いてつくってある。日本の企業のあり方からすれば、このような作り方になるのかと思う。まったくの一匹狼で孤独に研究開発に取り組むという姿は、基本的に出てこない。上司と部下、それから仲間どうしの人間関係、それをどうやって構築していくか、ということに力点をおいて作っている。

選択と集中と言われて久しいが、そのなかで、潰されそうになった日陰の部署で頑張った技術者たちの物語ということになる。何度も同じことを思うのだが、これは、たまたま成功した事例を探してきているのであって、実際の世の中には、そのまま消えていったプロジェクトが数多くあるにちがいない。

これも、今の時代だとさらに厳しさが増しているだろう。成功の見込みが立たないような部門に人員と予算をつかうのは、会社の価値につながらないと、株主……特にアクティビスト……から言われることになる。

技術的なこととしては、富士重工業は、なぜカメラによる画像認識という方向を選んだのだろうか。前の障害物とぶつからないための技術としては、レーダーを使うこともできると思う。このあたりの技術の選択ということについて、説明があるとよかったと思う。また、他の自動車メーカーのことも気になる。それぞれ独自の技術開発をしてきたと思うが、出てきていたのは日産のことだけだった。

また、企業内での人材育成、技術開発と、大学の工学部などでの教育システムとは、これからどうなっていくのだろうか、ということも、この種の番組を見て思うことである。

2024年6月23日記

ザ・バックヤード「瀬戸大橋」2024-06-26

2024年6月26日 當山日出夫

ザ・バックヤード 瀬戸大橋

どうでもいいことかもしれないが……「新プロジェクトX」で明石海峡大橋をとりあげていた。どうしても比べてしまうことになる。「新プロジェクトX」も、まあ、それなりに面白いのではあるが、「ザ・バックヤード」の方がずっと面白い。それは端的に言ってしまえば、知的好奇心にうったえるところがあるからである。

瀬戸大橋(児島・坂出ルート)は、なんども通ったことがある。自動車でも通っているし、列車でも通っている。しかし、その建築の技術の水準と、それからメンテナンスの工夫の数々は、これはとても面白い。鋼材は湿度六〇%以下におさえれば、さびることなく長く使用に耐える、これを実験して乾燥した状態を保てるように実用化したというのはすごいと思う。

様々なメンテナンスの技術と工夫を見ると、たしかに維持コストがかかることは理解される。これから、再度、瀬戸大橋を通ることがあるとしても、道路の通行料金については納得できるものになるだろうと思う。

2024年6月24日記