「祈りの塔 1300年の時をつなぐ〜国宝薬師寺東塔 全解体修理」2024-09-04

2024年9月4日 當山日出夫

新プロジェクトX 祈りの塔 1300年の時をつなぐ〜国宝薬師寺東塔 全解体修理

薬師寺の東塔の解体修理のことは、奈良のローカルニュースで、たびたび触れることがあったので、馴染みのあることの一つである。

ただ、番組の作り方としては、ちょっと焦点が散漫になったかなという印象がある。この番組の作り方として、ヒューマンドラマにしたいのであろうが、無理にそのような要素を持ち込まなくても、宮大工という職人の仕事を描けば、それでよかったのではないだろうか。ただ、宮大工というと、どうしても西岡常一の存在が大きいので、どこまで言及するか難しいかもしれない。あるいは、もう若い人は、西岡常一のことは知らないだろうから、あっさりと触れるだけでいいのか、または、もっと深く描くべきだったのか、どうも中途半端な印象が残ってしまう。

文化財の視点からは、解体修理してみて、どのような木材と技法で作られたのか、分かった部分も多かっただろうと思うのだが、これについては、まったく触れることがなかった。年輪年代学の研究として、使われた木材の年代測定など、調査しているはずだと思うのだが、どうなのだろうか。

番組では一言も出てこなかったが、やはり、高田好胤という人は、傑出した人であったと思う。

2024年9月1日記

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