Asia Insight「急増する“新香港人”」2024-09-17

2024年9月17日 當山日出夫

Asia Insight 急増する“新香港人”

このごろ、香港がどんなふうになっているのか、民主化運動の弾圧後の様子は、あまりニュースなどで報じられることがない。

香港が返還されて、すっかり中国のものになったかと思っていたのだが、そういうことではないらしい。一応、(形式的なものかもしれないが)香港政府があり、自由に中国と行き来できるということではない。中国から香港に移住するには、かなり制限がある。香港からならば、海外にもビザなしで行くことのできる国が増える。

民主化運動の弾圧後、多くの人びとが香港から出て行った。数十万にのぼるようだ。それを埋めるために、中国本土から人を入れる必要がある。

香港に移住してくる中国本土からの人びとのことを取材したものであるが、香港のことよりも、むしろ、このことを通して見る中国の今の様子が興味深い。

よりよい収入と仕事を求めてやってくる人。子どもの教育のためにやってくる人。仕事がないからというので、土木作業に従事する人。どれも、おそらくは、今の中国の社会事情の一端を映し出していることになるのだろう。この番組を見る限りではあるが、中国の今の内部の事情は、かなり深刻なようだ。不況で仕事がない、あるいは、よりよい仕事を求めて国外に出る。無論、中国国内においても、少子高齢化は、これから避けてとおれない。これから、いったいどうなることだろうか。

中国の国内において、忘れ去られた、取りのこされた、と感じる人びとがこれから増えてくるのかもしれない。中国の経済の発展のために働いてきたが、それが報われていないと感じる人びとが、一定以上存在するようになると、どのような社会的な影響があるだろうか。(これから先のことは、あまり考えたくもないが。)

中国も香港も階級社会である。英語が話せなければならないし、話せたとしても、その英語のなまりで階級が分かる。

興味深かったのは、香港にやってきた母親のことば。子どもが幼稚園で、日本人は悪だと教えられたというので、中国の教育に見切りをつけたという。中国で行われている幼いころからの反日教育というべきものがあることになり、それが、かならずしもすべての中国の人たちに受け入れられているわけではない、ということでいいだろうか。

2024年9月11日記

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2024/09/17/9717402/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。