「パンデミック 東京の危機〜第1波 医療従事者の闘い〜」2024-12-20

2024年12月20日 當山日出夫

新・プロジェクトX パンデミック 東京の危機〜第1波 医療従事者の闘い〜

今の時点(二〇二四年のおわり)で、COVID-19パンデミックのことを、ドキュメンタリーとして描くならば、前回のクルーズ船のこと、それから、この回の第一波のときの医療従事者の対応、これぐらいになるのかと思う。他には、政治家の判断とか、各分野の専門家がどう考えてどう除法発信していったか、また、マスコミがどう報道したか、という大きな問題があるが、これらを冷静に語れるようになるには、まだ時間がかかるかもしれない。

私は、安倍晋三が大嫌いであるのだが、それとは別に、政治家としてこのときの判断が正しかったかどうかは、しかるべく検証されなければならない。(個人的に思うこととしては、二〇〇〇年の三月の全国の学校の休校とか、マスクの件とかは、失策であったと思うのだが。)

二〇〇〇年の冬から春にかけてのことで思い出すのは、NHKの朝ドラの『ひよっこ』である。再放送を夕方にやっていた。夕方、再放送を見て、そのままNHKでは、ニュースの時間になって、まず映し出されるのが、渋谷のハチ公前であった。毎日みていると、だんだん人が少なくなっていくのが分かる。そして、ニュースの冒頭では、その日の東京の(だったと思うが)新規感染者数の発表である。これは、日に日に増加していった。なんとなく暗澹たる気分になったのを記憶している。

四月になって大学の授業が始まるときなのだが、とりあえず休校ということで、そのうちに、オンラインで対応ということに方針が変わった。これはまあなんとか、大学のLMSで対応したのだが。

ところで、番組であつかっていたのは、東京の聖路加国際病院と東京医科歯科大学病院の、現場の医療関係者のこと。

番組に作るとき、言うまでもないことかもしれないが、助かった事例を取材することになる。この第一波のとき、死者もかなりあったのだが、このことにはほとんど触れることがなかった。これは、現時点では、いたしかたないかと思うのだが、しかし、現場での対応や判断の記録と検証のためには、死者のこともふくめて考えなければならないはずである。

パンデミックというとき、働くのは、狭義の医療従事者(医師や看護師など)だけではない。救急車も出動しなければならないし、さらには、保健所の仕事もある。また、行政としてどう対応するかということもある。

裏方の仕事……事務とか、病院などの清掃とか、各種の物資の運搬、ロジスティックス、とか……多くの課題が残されたままであるように思える。この番組であつかっていたように、個人の善意と努力でどうにかなるということは、期待してはいけないだろう。

その後、ワクチンの接種となったのだが、その接種会場の設営や運営が課題となるし、ワクチンの輸送と保管も重要なことであった。

個人的な感想としては、日本はまあまあなんとか乗りきったのかな、と思うところではあるが、しかし、様々な社会の問題点が露呈した数年間であったことはたしかである。特に、いまだに保健所への連絡にFAXを使っているのかと、さんざん批判されたのだが、それに代わるオンラインのシステムが運用されるようになったが、これはこれで、現場の病院などの負担が一気に軽減されるということではなかった。

もし次に、パンデミックとなったとき、いわゆるマイナ保険証をどう活用するかということが課題かと思うが、このことを視野にいれた議論……推進するにせよ、立ち止まってシステムの再構築を考えるにせよ……が、あまり表だってなされているとは思えない。

2024年12月17日記

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