よみがえる新日本紀行「都ぞ弥生〜札幌・北大恵迪寮〜」 ― 2025-02-04
2025年2月4日 當山日出夫
よみがえる新日本紀行 都ぞ弥生〜札幌・北大恵迪寮〜
たまたま私が勉強してきた分野が、国語学、日本語学のなかでも、訓点語、文字、表記、ということなので、(その分野に知識のある人にとってはよく知られていることだが)、北海道大学の関係者には知り合いが多い。そこの先生であったり、卒業生であったりという人たちとは、学会などでよく話しをした。(もう、今では、ほとんど学会にも出なくなってしまったが。)
もとの番組は、昭和五〇年の放送である。ちょうどこの時期、私が、大学生になって東京で一人暮らしをはじめたころになる。同じ時代、北海道大学で勉強していた人たち(番組に映っていた)とは、ほぼ同年配ということになる。
昭和五〇年ごろは、その数年前までの、七〇年安保闘争が終わって、全国の大学がようやく平穏をとりもどしたころだったと、今から回顧することになる。都会……特に東京……の若者は、おしゃれに見えた。この時代、ちまたに流行った歌でいえば、『神田川』(かぐや姫)、『木綿のハンカチーフ』(太田裕美)、などが印象に残っている。まさに、この時代の学生の感覚を表している。
一方で、戦前からの旧制高校、大学での、バンカラの気風も一部には残っていた。私が学んだのは、慶應義塾大学の文学部であったが、春と秋の慶早戦(慶應の場合、こういう言い方になる)では、随分と無茶をする学生もいた。慶應の場合であれば、日比谷公園の噴水でおよぐということになるが……もう、今では、このようなことはなくなっているだろうと思うが。
北大の恵迪寮の生活は、旧制の高校、予科、などの雰囲気を色濃く残していたことになる。この時代、このような学生の生活があったということは、記録には残っていていいことだと思う。ストーム映像などは貴重なものかもしれない。
いまなお、この恵迪寮の生活は、古くからの「伝統」を残しているようだ。世の中に、このようなところがあってもいいと私は思っている。(今時の学生だから、昔のような無茶なことはしないだろう。)
『都ぞ弥生』の歌は知っている。いつ憶えたかは定かではないが、私の年代ならば、若いときにどこかで耳にしたことがあったはずである。その歌をうたうとき、「アインス、ツヴァイ、ドライ」とドイツ語で言っているのは、まさに、旧制の高校以来の、これも「伝統」というべきことになる。
少し前のことになるが、「ドキュメント72時間」で、この恵迪寮のことをあつかっていたのを思い出した。寮に女子学生が入るようになり、個室もある、これも時代の流れである。
2025年2月2日記
よみがえる新日本紀行 都ぞ弥生〜札幌・北大恵迪寮〜
たまたま私が勉強してきた分野が、国語学、日本語学のなかでも、訓点語、文字、表記、ということなので、(その分野に知識のある人にとってはよく知られていることだが)、北海道大学の関係者には知り合いが多い。そこの先生であったり、卒業生であったりという人たちとは、学会などでよく話しをした。(もう、今では、ほとんど学会にも出なくなってしまったが。)
もとの番組は、昭和五〇年の放送である。ちょうどこの時期、私が、大学生になって東京で一人暮らしをはじめたころになる。同じ時代、北海道大学で勉強していた人たち(番組に映っていた)とは、ほぼ同年配ということになる。
昭和五〇年ごろは、その数年前までの、七〇年安保闘争が終わって、全国の大学がようやく平穏をとりもどしたころだったと、今から回顧することになる。都会……特に東京……の若者は、おしゃれに見えた。この時代、ちまたに流行った歌でいえば、『神田川』(かぐや姫)、『木綿のハンカチーフ』(太田裕美)、などが印象に残っている。まさに、この時代の学生の感覚を表している。
一方で、戦前からの旧制高校、大学での、バンカラの気風も一部には残っていた。私が学んだのは、慶應義塾大学の文学部であったが、春と秋の慶早戦(慶應の場合、こういう言い方になる)では、随分と無茶をする学生もいた。慶應の場合であれば、日比谷公園の噴水でおよぐということになるが……もう、今では、このようなことはなくなっているだろうと思うが。
北大の恵迪寮の生活は、旧制の高校、予科、などの雰囲気を色濃く残していたことになる。この時代、このような学生の生活があったということは、記録には残っていていいことだと思う。ストーム映像などは貴重なものかもしれない。
いまなお、この恵迪寮の生活は、古くからの「伝統」を残しているようだ。世の中に、このようなところがあってもいいと私は思っている。(今時の学生だから、昔のような無茶なことはしないだろう。)
『都ぞ弥生』の歌は知っている。いつ憶えたかは定かではないが、私の年代ならば、若いときにどこかで耳にしたことがあったはずである。その歌をうたうとき、「アインス、ツヴァイ、ドライ」とドイツ語で言っているのは、まさに、旧制の高校以来の、これも「伝統」というべきことになる。
少し前のことになるが、「ドキュメント72時間」で、この恵迪寮のことをあつかっていたのを思い出した。寮に女子学生が入るようになり、個室もある、これも時代の流れである。
2025年2月2日記
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