映像の世紀バタフライエフェクト「麻薬 世界を狂わせた欲望」 ― 2025-02-14
2025年2月14日 當山日出夫
映像の世紀バタフライエフェクト 麻薬 世界を狂わせた欲望
こういう番組の場合、資料(映像)の関係から、どうしてもそれを入手しやすいところのことを中心に描くことになる。昔の中国の阿片屈からはじまって、多くはアメリカの事例だった。たしかにアメリカという国は、麻薬の国であるといっていいにちがいないが、アメリカだけが突出して問題ということではないかもしれない。おそらく、この問題は世界中に広がっていることであろう。
現代の日本も例外ではないと思うが、そう大きく社会問題になるほどにはなっていない。ただ、私の世代なら、日本におけるヒロポン中毒ということについては、なんとなく憶えたことばである。日常的にニュースになっていた、ということだろうか。
ジャズ・ミュージシャン、ロック・ミュージシャンたちにとって、麻薬(と酒)は切っても切れないものである……というのは、改めて言うまでもなく当たり前のことであると認識している。ウッドストックのことは、今から、どう評価することになるだろうか。反体制的な若者たちの熱狂にはちがいないのだが、そこには、麻薬と奔放な性の解放ということがあった。
戦争中に兵士に対して薬物が使われたということは、多くの証言や資料が残っていることだろうと思う。意図的に行われた場合もあれば、ベトナム戦争のときのように、戦場の兵士がやむにやまれず始めたということもあったかもしれない。ベトナム戦争の場合、いったいどこから手に入れたのだろうか。アメリカ本国から持ち込んだものだったのか、あるいは、ひょっとすると、敵であるベトナムからの工作だったのか(これは、考えすぎだろうか)。そして、同じようなことを、ベトコン側でもやっていなかったということは、考えにくい。(これについては、資料が残っているかどうかということもあるが。)
番組の最後で、シリアが崩壊した後に発見された麻薬工場が写っていたのだが、ここで生産された麻薬は、どこに流れてどう使われたのだろうか。シリアの背後にいたのは、ロシアであるということなので、ロシアがかかわっていたとしても、不思議ではないが、今は、そこまで取材することはできないのかとも思う。
気になるのは、今の中国とかロシアのことである。完全に押さえ込んでいるのか、あるいは、こっそりと政府が関与して、麻薬ビジネスを闇で展開しているのか、あきらかになるのは、もっと先になってからだろう。
アメリカで問題になっているフェンタニル、オピオイド系の麻薬であるが、これがメキシコ経由でアメリカに密輸されているならば、それをストップしようというのは、これはこれとして、きわめて妥当な政治的判断であると、私は思う。
番組のはじめで紹介されていたジョン・レノンのことばは、まあ、近代における個人というのは、そういうものだよなあ、という印象で聞いていた。(たまたま、録画してあったのを見る順番で、「100分de名著」に続けて見たので。)
番組では言っていなかったことだが、満州国における甘粕正彦のことも、気になるところである。
2025年2月11日記
映像の世紀バタフライエフェクト 麻薬 世界を狂わせた欲望
こういう番組の場合、資料(映像)の関係から、どうしてもそれを入手しやすいところのことを中心に描くことになる。昔の中国の阿片屈からはじまって、多くはアメリカの事例だった。たしかにアメリカという国は、麻薬の国であるといっていいにちがいないが、アメリカだけが突出して問題ということではないかもしれない。おそらく、この問題は世界中に広がっていることであろう。
現代の日本も例外ではないと思うが、そう大きく社会問題になるほどにはなっていない。ただ、私の世代なら、日本におけるヒロポン中毒ということについては、なんとなく憶えたことばである。日常的にニュースになっていた、ということだろうか。
ジャズ・ミュージシャン、ロック・ミュージシャンたちにとって、麻薬(と酒)は切っても切れないものである……というのは、改めて言うまでもなく当たり前のことであると認識している。ウッドストックのことは、今から、どう評価することになるだろうか。反体制的な若者たちの熱狂にはちがいないのだが、そこには、麻薬と奔放な性の解放ということがあった。
戦争中に兵士に対して薬物が使われたということは、多くの証言や資料が残っていることだろうと思う。意図的に行われた場合もあれば、ベトナム戦争のときのように、戦場の兵士がやむにやまれず始めたということもあったかもしれない。ベトナム戦争の場合、いったいどこから手に入れたのだろうか。アメリカ本国から持ち込んだものだったのか、あるいは、ひょっとすると、敵であるベトナムからの工作だったのか(これは、考えすぎだろうか)。そして、同じようなことを、ベトコン側でもやっていなかったということは、考えにくい。(これについては、資料が残っているかどうかということもあるが。)
番組の最後で、シリアが崩壊した後に発見された麻薬工場が写っていたのだが、ここで生産された麻薬は、どこに流れてどう使われたのだろうか。シリアの背後にいたのは、ロシアであるということなので、ロシアがかかわっていたとしても、不思議ではないが、今は、そこまで取材することはできないのかとも思う。
気になるのは、今の中国とかロシアのことである。完全に押さえ込んでいるのか、あるいは、こっそりと政府が関与して、麻薬ビジネスを闇で展開しているのか、あきらかになるのは、もっと先になってからだろう。
アメリカで問題になっているフェンタニル、オピオイド系の麻薬であるが、これがメキシコ経由でアメリカに密輸されているならば、それをストップしようというのは、これはこれとして、きわめて妥当な政治的判断であると、私は思う。
番組のはじめで紹介されていたジョン・レノンのことばは、まあ、近代における個人というのは、そういうものだよなあ、という印象で聞いていた。(たまたま、録画してあったのを見る順番で、「100分de名著」に続けて見たので。)
番組では言っていなかったことだが、満州国における甘粕正彦のことも、気になるところである。
2025年2月11日記
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