ドキュメント20min.「ロンリーカメラ」2025-03-13

2025年3月13日 當山日出夫

ドキュメント20min. ロンリーカメラ

小谷を「おたり」と読むのは、その知識がないと読めない。学生のとき、夏休みに長野県の大町で、勉強の合宿をしていたこともあって、この地名は読める。

番組のなかで、そうはっきりと言っていたわけではないが、やはり、過疎高齢化の地域であることは確かだろう。

こういう番組としては、「小さな旅」のように作ってもいいかもしれない。九〇歳を超えても元気で暮らしているおばあちゃんであり、林業の仕事をしている若者であり、村の祭りであり、また、雪のなかで遊ぶ子供たちの姿であり。これは、これとして、映像でうまく表現されている。

ただ、肝心のメッセージとして、この村は、東京からふらりと一人でやってきた三〇歳ぐらいの女性がが、そのまま居着いて生活できるいい村である……ということになったかどうか、これは考えることになる。

おそらく一番の問題は……特にこの村に限ったことではないが……若い女性の地方から都市部への移動ということが指摘されている。地方に住み続けたくない、若い女性には、それなりに理由がある。はっきり言ってしまえば、地方に残る封建的な家父長制的な考え方が、嫌だから、東京に出る。まあ、東京に出たからといって、それで幸福に暮らせるかどうかは、また別の問題ではあるが。

この村で長年暮らしてきた人たちの生活の感覚……それは、今の価値観からすると古めかしい面もあるにちがいないが……これが、現代社会の変化(人口の減少、生活のスタイルの変化)なかで、これからどうなるのか、これは考えるべきことである。

番組の最後で、手紙を書いてポストに投函していた。そして、番組のなかでは、カメラを使ってはいたが、スマホも、コンピュータも、出てきていない。こういうふうに作った意図は分かるつもりだが……さて、見る人は、どう思ってみるだろうか。

2025年3月11日記

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2025/03/13/9760680/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。