BS世界のドキュメンタリー「中米パナマの憂うつ “船と不法移民の交差点”で何が」2025-04-15

2025年4月15日 當山日出夫

BS世界のドキュメンタリー「中米パナマの憂うつ “船と不法移民の交差点”で何が」

二〇二四年、フランスの制作。

パナマ運河をめぐっては、アメリカと中国の対立が報道され、また、アメリカにやってくる不法移民についても、かなり報道されている。しかし、そのパナマ運河の今の様子とか、アメリカをめざす移民がどのようにしてやってきているのか、ということについては、あまり日本では報道されないと見ている。

パナマ運河が、閘門によって水位を調節して、船の運航を可能しているということは知っていたが、そのために、膨大な量の水を必要とし、そのために湖の水が使われているということまでは、はっきりとは知らなかった。たしかに、閘門の水位の調整のための水がどこから来て、どこに流れていくのか、ということは、重要なことである。

近年の異常気象により、水不足になって、かつてのように多くの船を通過させることができなくなっているという。通過できなくて待たなくてはならないので、遠く南アメリカの南を回って航海する船もある。また、コンテナの一部、あるいは、全部を、陸上の鉄道輸送で代替することも行われている。

このような、パナマ運河の運用にかんするいろんな仕事は、どこの管理ということになるのだろうか。無論、パナマ政府はかかわっているはずだが、実際の運営においては、中国、あるいは、アメリカの企業が、仕事をしている……ということなのだろうか。だからといって、中国政府やアメリカ政府が、パナマ運河の通行を維持するため、湖の水量を確保するために、何かしているという話しは聞かない。

アメリカを目指す移民の人たちは、かなり過酷な状況におかれていることはたしかである。とにかくジャングルの中を、山道を、川沿いを、歩いて行くしかないということは、非常にきびしい。だが、それほどまでに、母国には住み続けたくないという事情があるのだろう。(これはこれとして、実際にどんな生活の状況なのかということは、知りたいと思う。)アメリカまで徒歩で旅をするにも、現地のマフィアの手をかりなければ、無事に通り抜けることができない。政府の管轄のおよばない無法地帯で、マフィアが実験を握っている。地獄の沙汰も金次第とは言うけれども、まさに、アメリカまで歩いていくにも、マフィアにお金を払わないと、行くことができない。衣食住、すべて、お金をはらわないとならないシステムになっている。(まあ、見方によっては、マフィアが、現地の治安を維持して、人びとの無事な通過を守っているとも、とれなくはないが。)

もし、かりにマフィアがいなくなって関係国の政府の管理下におかれたとしても、それならそれで、こんどは、それらの政府の役人が賄賂を要求するようになるか、そうでなければ、やっかいな移民は、さっさとアメリカ国境まで行ってもらうようにするか、ということだろうと思うが、どうだろうか。現にパナマ政府は、移民をバスに乗せて移動させている。

そして、今では、アメリカとの国境までたどり着けたとしても、無事に入国できる保証はない。また、もし、入国できたとしても、仕事が保証されているわけではないだろう。

パナマ運河のこれから、それから、移民の人びとのこれからは、いったいどうなるだろうか。

2025年4月11日記

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