BS世界のドキュメンタリー「未承認国家 “親ロシア派”地域にくすぶる火種」2025-05-15

2025年5月15日 當山日出夫

BS世界のドキュメンタリー 「未承認国家 “親ロシア派”地域にくすぶる火種」

2023年、フランスの制作。

再放送であるが、最初の放送がいつかNHKのHPには書いていなかった。

ロシアのウクライナ侵略以来、その周辺の国々のことは、いろいろと話題になることがあったが、この番組であつかっているようなことが、日本のメディアで大きく取りあげられたということはなかったと憶えている。たしかに、このような地域についての取材はむずかしいとは思うが。

モルドバの中の沿ドニエストル共和国、ジョージアの中のアブハジア共和国、これらの地域は、独立国家といえるのか、あるいは、モルドバやジョージアの一部というべきか、それとも、実質的なロシア領というべきなのか……このあたりの位置づけから、いろいろ問題がありそうである。

ソ連の時代をなつかしむ老人がいたが、こういう気持ちも分からなくはないと感じる。東西冷戦の時代、ある意味で、世界はある種の安定があったことはたしかである。(日本国内でも、いわゆる五五年体制ということで、政治的な安定の期間でもあった。)

一方、ロシアのウクライナ侵略に反対し、自由をもとめる人びともいる。

こういう地域について、では、住民投票で決めればいいではないか、といかないのが、むずかしいところである。形式的には、クリミア半島は、その結果、ロシアがとってしまった。(ここも、古くからの歴史的経緯を考えるならば、ウクライナの地域にあって、特別なところだとは思えるが。)

ロシアからすれば、ロシア人の国家は独立してあるべきだ、ということになるのだろう。これはこれとして、ロシア的なナショナリズムのあり方として、理解できないことではない。だが、そうであるからといって、武力で強引に支配することは、やはり国際的にルール違反である。

ロシアの領土的野望というようなことで理解することもできるが、視点を変えて見るならば、民族と国家、という問題でもある。ロシア人は自立した国家をもちたいのだが、その結果、地域に生活している他の民族を圧迫するすることになってしまっている。民族……言語や宗教……がからんでくる問題は、解決がそう簡単ではない。少なくともこれぐらいのことは、歴史から学ぶことのできることであると思っている。

2025年5月10日記

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