NHKスペシャル「ドキュメント 医療限界社会 追いつめられた病院で」2025-06-07

2025年6月7日 當山日出夫

NHKスペシャル ドキュメント 医療限界社会 追いつめられた病院で

医療については、完璧を求めすぎてはいけない……少なくとも、人間はミスをするものである、ということを前提にした、医療のシステムを考えるべきだし、社会としては、それを受け入れていかなければならない。総論としては、私はこのように思っている。

病院の経営が、どこもかなり厳しいという状況は、そう簡単には是正できないことかとも思う。高度な医療については、地域による集約ということにならざるをえないし、町中の診療所や病院の規模や場所に対応して、総合的な連携システムを作っていくということしかないだろう。

そして、場合によっては、医療にかかわるコスト(保険料や医療費の負担)の増額ということも、ありうることとして考えることになる。(でなければ、形を変えて税金で負担することになる。)

たまたま、日本では、ここ二〇年ほど物価がほとんど上がってこなかったので、なんとか現状維持ということが可能であった。だが、これは、同時に、根本的な構造改革をストップさせることにもつながった。ここに、直近の物価上昇などがあれば、いろんなところにひずみが顕在化するのは当然だろう。

都市部の大きな病院だと、救急患者を多く受け入れようとしている。そうしないと、病院の経営に影響する。しかし、よく言われることとして、救急搬送の受け入れ先が決まらなくて、長時間、待機しなければならないということがある。はたして、実際の医療の現場ではどうなっているのだろうか。これは、地域差ということもあるにちがいない。

医療関係者の働き方改革をふくめて、地域ごとの人口動態など、さらに総合的な視野から考えるべきことにちがいない。ただ、国民の誰もが、その時代の最先端で最高水準の医療を受けられるものではなく、そうではなく、標準的なレベルの医療が全国どこでもまんべんなく行きわたるようにするにはどうすべきか、ということではないかと、私は考えている。(より不幸な人を、より少なくする、ということである。)

番組の趣旨とは関係ないことだが、大学の経営について語るとき、医学部があって附属病院を持っている大学は病院の収入が大きい、と言われる。大学医学部の附属病院というのは、そんなにもうかるようなものなのだろうか。

2025年6月2日記

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