新日本風土記「御用達と献上品」2026-01-09

2026年1月9日 當山日出夫

新日本風土記「御用達と献上品」

再放送である。最初は、2024年3月12日。

御用達とか献上品というと、いわゆる、民芸、というようなものの対極にあることかなとは思う。ただ、私としては、民芸について、よく分からないところがある。

見ながら思ったことを書いておく。

京都の天皇や公家たちは、中世のころは、貧乏であった。これは、歴史の知識として普通のことかと思う。天皇といえども、そんなに贅沢なくらしをしたわけではない。だが、なんというか、神秘的な格式だけはあった。

天皇の朝ごはんに、御朝物という、ま~るい団子のような、おはぎのようなものを届けていたというのは、面白い。このころ、代金が払えないお公家さんが、歌の短冊をくれた……これは、公家の貧乏ということでもあるし、見方を変えれば、歌を書いた短冊が、それなりの価値があった時代、ということでもある。

津軽のもやしは、美味しそうである。できれば、食べてみたい。しかし、これが東京のデパ地下で売ると、500円というのは、妥当というべきか、まあ、いろんなことを考えれば、暴利とはいえないだろうが。

それよりも興味深かったのは、もやしをくくるのにワラを使っていたこと。ワラは、一昔前まで、ごく普通に日常生活の中にあったものである。私は、子どものころ、炭を実際に使う生活をしていたが、炭俵はワラで作ってあった。これが、急速に姿を消している。稲刈りをコンバインでするようになって、稲わらが残らなくなった。今の普通の生活(都市部)で、ワラを目にするといったら、お正月の注連飾りぐらいになっているかもしれない。

八丁味噌の会社の工場には、行ったことがある。岡崎の街は、国立国語研究所が、定期的に言語について調査をおこなっているが、これに協力することがあって、何度かおとづれた。このとき、映っていた会社、「カクキュウ」であるが、ここは、朝ドラの『純情きらり』でも舞台になっている。

指宿の薩摩のお殿様が使っていた温泉を、銭湯にしているというのは、面白い。

鍋島の焼き物(御庭焼)は、その技術は門外比出であり、職人たちは外に出ることを許されなかった。失敗作は、粉々にうちくだいていた。映っていた、呉須をつかっで太筆で模様を描く技法は、見事である。

会津の柿は面白かった。まず、献上品というのは、県の仕事であるというこを始めて知った。考えて見れば、品質管理は無論のこと、食品としての安全性を考えれば、氏素性の確かなものでなければ、皇室に献上することはできないだろうから、それが県の仕事になるのは、もっともである。

柿をきれいにしている場面を、多くの取材のカメラが写していた。これは、たぶん、地元の恒例の行事ということなのだろうか。奈良公園で、鹿の赤ちゃんが生まれたらニュースになるようなものである。

秩父宮妃が会津の出身であったということは、戊辰戦争のときのことの和解として、印象的に語られることである。勢津子妃は、松平容保の孫になる。

北海道の別海町のサケは、これも美味しそうである。江戸時代には、幕府の出先機関が管理していたということだったが、実態としてはどういうことが行われていたのか、アイヌの人びととの関係はどうだったのか、気になる。サケは、獲れすぎても、獲れなさすぎても困る。商品として、高付加価値という路線をえらぶのは、賢明だろう。

北海道の砂川市の馬具。皇室は、今でも馬車を公式行事で使っている。そのメンテナンスは、手間がかかるし、この仕事をうけおうことができるというのは、会社にとって名誉であり、宣伝にもなることだろう。昔は、鉄道の御料車に、さまざまなに高度な工芸技法が使われていたのだが、もうお召し列車というものがなくなってしまった。

北海道で昔は炭坑で栄えた街が、さびれてしまったということだが、こういう街は他にも多くあるはずである。夕張が有名だが。それぞれの炭坑町のその後を、おいかけていくだけでも、興味深い物語がいくつもあるにちがいない。

2026年1月6日記

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2026/01/09/9829248/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。