BS世界のドキュメンタリー「時をつくる 機械式時計の奇才たち」2026-02-27

2026年2月27日 當山日出夫

BS世界のドキュメンタリー「時をつくる 機械式時計の奇才たち」

2022年、イギリス。

録画してあったのをようやく見た。

見ていて一番興味深かったのは、時計職人の机。『ばけばけ』のヘブンさんのように、背の高い机である。これは、細かな部品をあつかう時計づくりの作業としては、机に顔を近づける必要があるので、椅子に座って、机の面が高くなるようにしてある、ということであろう。ちょっとしたことだが、きわめて合理的なことだと思う。

人間にとって時とは何であるか……これは、とても難しい問題である。また、人間が時間をどう意識するようになったかということと、時計の発達ということ、これは大きく関係する。無論、近代になってから、国家による時間の管理ということで、工場や学校や軍隊などをあげることができるだろうし、いうまでもなくミシェル・フーコーの考えたことを、なぞることになる。

私自身は、時計はシンプルなデザインで、時間が分かればいいと思っている。しかし、安物は使わない。

今、手元のおいているのは、SEIKOの鉄道時計。学生の時に買った。半世紀ほど昔のことである。一度の故障もなく動いている。電池の交換だけはする。

かつて、時計は正確さが必須だった。スイスの時計に価値があったのは、何よりもまず正確さということであったと記憶する。しかし、クオーツ時計の実用化で、時計にもとめられる正確さということは、消し飛んでしまった。時間を知るための日常的な道具から、身につける工芸品になった。このごろは、電波時計が普通になってきて、時計の時刻を合わせるということが、もうなくなってしまっている。

別に、高価な時計を身につけたからといって、それで、自分の使える時間が増えるわけではない……いったい何故、人は、高額な時計を欲しがるのだろうか。(まあ、無粋な私にとっては、大きな謎である。)

そうはいっても、独立した時計職人が、今でも機械式の時計を作り、それが、途方もなく高額な商品として取引される、ということが世界にあっても、いいことなのだろうと思う。こういう世界があって、機械式時計のメカニズムに魅せられる人がいることも、また確かなことだろう。

2026年2月25日記

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