BSスペシャル「モサド ポケベル爆発事件の全貌」 ― 2026-04-16
2026年4月16日 當山日出夫
モサド ポケベル爆発事件の全貌
この番組の内容程度のことなら、モサドの活動としてあつかってもいい、という判断なのかなと思って見ていた。このことの背景には、絶対に語られることのない、極秘の工作活動が、たくさんあるにちがいない。
ポケベルの爆破事件のときのことは、記憶している。まず思ったのは、今の時代にポケベルを使っているというのは、どういうことなのかと不審に感じたものである。携帯電話とちがって盗聴されにくい、というメリットあるというのは、そういうものかと思う。ヒズボラもそうだが、軍事的な組織で使うならば、盗聴されないこと、耐久性があること(防水、防塵など)、バッテリーが長持ちすること、というようなことになる。(この意味では、現代の一般のスマートフォンは、とても軍事的には使えないといっていいだろうか。)
ポケベル爆破作戦が、非常に周到に準備されたものであることは分かる。まきこまれた(名前をつかわれた)台湾の企業とか、日本の企業は、迷惑ということになる。
使われたポケベルの、製品としての信頼性の高さということは、確かにあっただろう。ここは、さすが台湾というべきだろうか。(それでも、疑われそうになったので、調査を妨害して(担当者を殺して)、作戦の実行を早めたというのは、軍事的には妥当な判断であったというべきだろう。冷酷な考え方になるかとは思うが。)
軍事の点から見れば、ポケベル爆破作戦は、成功したということになるだろう。ヒズボラ戦闘員にターゲットを絞ることになるし、殺さずに負傷させることがメインであるので、イスラエルの存在感をレバノンの人びとに印象づけることができる。(だが、それでも、ヒズボラ戦闘員以外の人で、巻き添えの被害にあった人がいることは確かであるが。)
番組の意図としては、モサドとイスラエルの意図や能力ということに焦点をあてて作ったかという印象なのだが、見ていて感じるのは、イスラエルが、まわりを敵国に囲まれていて、その生存をかけているということは、認めなければならない。
ユダヤ人は皆殺しにすべきであり、イスラエルという国家は世界から消滅すべきである、とかたくなに思っているヒズボラやハマスのような、武装組織に囲まれていて、なんとか国家として生きのびていくには、それなりの覚悟としたたかさが必要だろう。
今の時代の流れとしては、反シオニズム、という方向になっている。イスラエルという国家の存在そのものを否定するのが、正しい、という風潮かなと見ている。
だが、これは、新たな憎悪の連鎖を生むだけで、あまり平和的で建設的であるとは思えない。(だからといって、イスラエルのやっていることが、すべて正当化されるとは思わないが。)
最後まで見て、名前が出てきていたのが、小谷賢。だが、おそらく、絶対にこういうところには名前を出さない、ということで仕事をしている、日本のインテリジェンス関係の専門家は多くいるにちがいないと思う。
2026年4月10日記
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