世界遺産ワーカー「モン・サン・ミシェルとその湾」 ― 2026-01-13
2026年1月13日 當山日出夫
世界遺産ワーカー モン・サン・ミシェルとその湾
見ていて一番印象に残ったのは、修道女が言っていたことば……私の祈りを信じてくれる人のために祈る。こういう深みのあることばは、このごろ聞かれなくなった。
新しいシリーズということだが、以前に、「世界遺産ワーカー」として、「シェーンブルン宮殿・庭園群」を放送していて、これは見た。世界遺産というと、その文化的、自然的価値が大きくとりあげられるのだが、そこで、どんな人がどんなふうに、仕事としてかかわっているのか、とても興味深いものだった。
モン・サン・ミシェルには行ったことがない。もう、これから行くことはないだろう。名前は知っているし、とても有名なところであるが、詳しいことは知らなかった。フランス語での名称だから、大天使・聖ミカエルの山、という意味だと言われると、なるほどそうだなと思う。
ここにフランス政府から、職員が派遣されている。歴史文化担当官ということである。こういう制度は、日本にはない。法隆寺に文化庁から専任の職員が派遣されてきているということはないはずである。
モン・サン・ミシェルには、まだ謎が残っている。新しく地下の礼拝堂が発掘されたりしている。8世紀のころから、日本でいえば奈良時代ぐらいからになるが、営々と作り続けてきたので、おそらく、その地下には、きっといろんなものが眠っている可能性があると思うが、こういうことの発掘調査というのは、難しいだろうか。
著名な観光地であると同時に、カトリックの修道院でもある。今でも、修道士、修道女の人たちが、信仰にもとづいて生活している。ミサもとりおこなわれている。まずは、宗教の施設なのである。
ここに巡礼に来る人たちのために、ヒツジを飼う。このエサになっているのが、海水につかっても大丈夫な植物。こういう植物があるのはわかる。海中で育つ海藻があるぐらいなのだから。でも、海水につかっている植物なら、表面に海水の塩分がついていたりするかと思うが、ヒツジは、これを食べて大丈夫ということなのだろうか。
昔は、50軒あった農家が、今では8軒になっているという。まさに、このヒツジの飼育自体が、文化財といっていい。(これには、フランス政府から、補助が出ていたりするのだろうか。)
干満差が15メートルというのは、とてつもない数字である。この干潟が、ラムサール条約で守られることになるのは、そうだろうと思う。海が干潟になる状態を見て、古代の人びとが、神秘性を感じ、モーゼのことを思ったとしても、そうだろうなあ、と感じる。
ムール貝は、食べたことはあるが、あんなふうに養殖するものだとは知らなかった。
ちらっと映っただけだったが、干潟にあったトラックというか船というか。船の下に車輪がついていた。水陸両用の漁船(?)ということなのだろうか。詳しく紹介してくれるとよかった。
モン・サン・ミシェルの歴史は、まさに、西欧の歴史と重なる。英仏……そのころのことだから、現代の国民国家としてのイギリスとフランスではないが……の、100年戦争は、昔、歴史の教科書で名前を憶えた程度の知識しかない。
フランス革命のときに、修道士たちが追い出されて、政治犯を収容する監獄として使われたというのは、ひどい話しだと思うが、しかし、監獄としては、合理的なところだったといえるかもしれない。
島の中の郵便屋さんのことは面白かった。通り名しか書いてなくて、詳しい住所が分からない。それでも、どこの家・店に、配達すべきか、憶えている。(日本でも、こういうようなところは、あったかと思う。同じ住所のところに、たくさんの家がある。)
修道院や教会以外に家もある。多くは観光客相手のお店のようだが、実際に住んでいるのは、一軒に二人だけになっている。その家も、数百年前、中世に建てられたものである。
最後のところで、政府から派遣された、歴史文化担当官の人が言っていた……美しさはまるで麻薬のように人を虜にしてしまう……これは、まさに、そのとおりだと思う。また、フランスらしいことばでもある。
登場していた人たちの多くは、祖父、曾祖父から仕事をうけついでいる。自分が生まれる前からつづいてきたものの中に住んでくらして、それは、自分が死んだ後もまたつづいていくものである……こういうところで醸成される生活の感覚というものは、とても大切なものだと、私は思う。
それにしても、どうやって作ったのだろうか。石は重い。潮が引いたときに馬車が使えたということではないだろうし、潮が満ちたときに船で運んだんだろうか。こういうことは、どれぐらい分かっていることなのだろうか。
2026年1月9日記
世界遺産ワーカー モン・サン・ミシェルとその湾
見ていて一番印象に残ったのは、修道女が言っていたことば……私の祈りを信じてくれる人のために祈る。こういう深みのあることばは、このごろ聞かれなくなった。
新しいシリーズということだが、以前に、「世界遺産ワーカー」として、「シェーンブルン宮殿・庭園群」を放送していて、これは見た。世界遺産というと、その文化的、自然的価値が大きくとりあげられるのだが、そこで、どんな人がどんなふうに、仕事としてかかわっているのか、とても興味深いものだった。
モン・サン・ミシェルには行ったことがない。もう、これから行くことはないだろう。名前は知っているし、とても有名なところであるが、詳しいことは知らなかった。フランス語での名称だから、大天使・聖ミカエルの山、という意味だと言われると、なるほどそうだなと思う。
ここにフランス政府から、職員が派遣されている。歴史文化担当官ということである。こういう制度は、日本にはない。法隆寺に文化庁から専任の職員が派遣されてきているということはないはずである。
モン・サン・ミシェルには、まだ謎が残っている。新しく地下の礼拝堂が発掘されたりしている。8世紀のころから、日本でいえば奈良時代ぐらいからになるが、営々と作り続けてきたので、おそらく、その地下には、きっといろんなものが眠っている可能性があると思うが、こういうことの発掘調査というのは、難しいだろうか。
著名な観光地であると同時に、カトリックの修道院でもある。今でも、修道士、修道女の人たちが、信仰にもとづいて生活している。ミサもとりおこなわれている。まずは、宗教の施設なのである。
ここに巡礼に来る人たちのために、ヒツジを飼う。このエサになっているのが、海水につかっても大丈夫な植物。こういう植物があるのはわかる。海中で育つ海藻があるぐらいなのだから。でも、海水につかっている植物なら、表面に海水の塩分がついていたりするかと思うが、ヒツジは、これを食べて大丈夫ということなのだろうか。
昔は、50軒あった農家が、今では8軒になっているという。まさに、このヒツジの飼育自体が、文化財といっていい。(これには、フランス政府から、補助が出ていたりするのだろうか。)
干満差が15メートルというのは、とてつもない数字である。この干潟が、ラムサール条約で守られることになるのは、そうだろうと思う。海が干潟になる状態を見て、古代の人びとが、神秘性を感じ、モーゼのことを思ったとしても、そうだろうなあ、と感じる。
ムール貝は、食べたことはあるが、あんなふうに養殖するものだとは知らなかった。
ちらっと映っただけだったが、干潟にあったトラックというか船というか。船の下に車輪がついていた。水陸両用の漁船(?)ということなのだろうか。詳しく紹介してくれるとよかった。
モン・サン・ミシェルの歴史は、まさに、西欧の歴史と重なる。英仏……そのころのことだから、現代の国民国家としてのイギリスとフランスではないが……の、100年戦争は、昔、歴史の教科書で名前を憶えた程度の知識しかない。
フランス革命のときに、修道士たちが追い出されて、政治犯を収容する監獄として使われたというのは、ひどい話しだと思うが、しかし、監獄としては、合理的なところだったといえるかもしれない。
島の中の郵便屋さんのことは面白かった。通り名しか書いてなくて、詳しい住所が分からない。それでも、どこの家・店に、配達すべきか、憶えている。(日本でも、こういうようなところは、あったかと思う。同じ住所のところに、たくさんの家がある。)
修道院や教会以外に家もある。多くは観光客相手のお店のようだが、実際に住んでいるのは、一軒に二人だけになっている。その家も、数百年前、中世に建てられたものである。
最後のところで、政府から派遣された、歴史文化担当官の人が言っていた……美しさはまるで麻薬のように人を虜にしてしまう……これは、まさに、そのとおりだと思う。また、フランスらしいことばでもある。
登場していた人たちの多くは、祖父、曾祖父から仕事をうけついでいる。自分が生まれる前からつづいてきたものの中に住んでくらして、それは、自分が死んだ後もまたつづいていくものである……こういうところで醸成される生活の感覚というものは、とても大切なものだと、私は思う。
それにしても、どうやって作ったのだろうか。石は重い。潮が引いたときに馬車が使えたということではないだろうし、潮が満ちたときに船で運んだんだろうか。こういうことは、どれぐらい分かっていることなのだろうか。
2026年1月9日記
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