NHKスペシャル「新ジャポニズム 第5集 盆踊り 世界をつなぐ情熱の輪」 ― 2025-11-06
2025年11月6日 當山日出夫
NHKスペシャル 新ジャポニズム 第5集 盆踊り 世界をつなぐ情熱の輪
盆踊りは、世界で、国境を越えて人びとの楽しむものになっている……ということをいいたいのかと思うが、はたして、そう簡単に言い切れることだろうか。
まず、興味深いことが、ブラジルのこと。登場していた日系二世の人たちは、ポルトガル語で話しをしていた。ブラジルに多くの日本人が移民として渡っていたのだが、その人たちは、日本語を二世、三世に、伝えようとしているのか、いないのか、どうなのだろうか。言語というのは、文化の根幹にかかわることだと思っているのだが、ブラジルに移民として行った人たちは、日本語は、自分たちの子どもの世代には残すべきものという意識はないのだろうか。
取材の方針として、日本語が話せるとしても、現地のブラジルの生活になじんだ日系人ということを演出したいために、意図的にポルトガル語で話してもらっていた、ということかもしれないのだが、どうなのだろうか。
日本語は失ってもいいけれど、盆踊りは残したい、このあたりの気持ちが、今ひとつ分からないところでもあった。
マレーシアの事例は、たまたま、きわめて世俗化した日本の盆踊りが、たくさんの人たちが集まることのできるイベントとして使われている、ということのように思える。
番組の中で解説があったように、盆踊りは、本来は宗教行事である。その名残をとどめている民俗は、各地にまだ残っている。一方で、民俗行事というのは、常に新しい新規なものを取り入れるものである、という側面もある。古くからの伝統を残すだけではない。
現在の日本の都市部で行われる盆踊りは、高度経済成長期以降の新しい都市の生活の中で行われるようになったところがあるはずだが、これについては、どれぐらい研究されているのだろうか。だが、これも、近年では、騒音問題で、盆踊りが難しくなってきているということもある。これも、時代の流れというべきだろうか。
こういう番組を見ると、外国でおこなわれている盆踊りを、日本に逆輸入して楽しもうということになるかもしれない。
厳密に考えるならば、文化的行事と、宗教的行事は、そんなに簡単に割りきって分けられるものではない。だが、本来は宗教的行事であったものの世俗化ということは、時代の流れのなかでどうしようもないことかもしれない。
2025年11月4日記
NHKスペシャル 新ジャポニズム 第5集 盆踊り 世界をつなぐ情熱の輪
盆踊りは、世界で、国境を越えて人びとの楽しむものになっている……ということをいいたいのかと思うが、はたして、そう簡単に言い切れることだろうか。
まず、興味深いことが、ブラジルのこと。登場していた日系二世の人たちは、ポルトガル語で話しをしていた。ブラジルに多くの日本人が移民として渡っていたのだが、その人たちは、日本語を二世、三世に、伝えようとしているのか、いないのか、どうなのだろうか。言語というのは、文化の根幹にかかわることだと思っているのだが、ブラジルに移民として行った人たちは、日本語は、自分たちの子どもの世代には残すべきものという意識はないのだろうか。
取材の方針として、日本語が話せるとしても、現地のブラジルの生活になじんだ日系人ということを演出したいために、意図的にポルトガル語で話してもらっていた、ということかもしれないのだが、どうなのだろうか。
日本語は失ってもいいけれど、盆踊りは残したい、このあたりの気持ちが、今ひとつ分からないところでもあった。
マレーシアの事例は、たまたま、きわめて世俗化した日本の盆踊りが、たくさんの人たちが集まることのできるイベントとして使われている、ということのように思える。
番組の中で解説があったように、盆踊りは、本来は宗教行事である。その名残をとどめている民俗は、各地にまだ残っている。一方で、民俗行事というのは、常に新しい新規なものを取り入れるものである、という側面もある。古くからの伝統を残すだけではない。
現在の日本の都市部で行われる盆踊りは、高度経済成長期以降の新しい都市の生活の中で行われるようになったところがあるはずだが、これについては、どれぐらい研究されているのだろうか。だが、これも、近年では、騒音問題で、盆踊りが難しくなってきているということもある。これも、時代の流れというべきだろうか。
こういう番組を見ると、外国でおこなわれている盆踊りを、日本に逆輸入して楽しもうということになるかもしれない。
厳密に考えるならば、文化的行事と、宗教的行事は、そんなに簡単に割りきって分けられるものではない。だが、本来は宗教的行事であったものの世俗化ということは、時代の流れのなかでどうしようもないことかもしれない。
2025年11月4日記
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