『とと姉ちゃん』「常子、ホットケーキをつくる」 ― 2025-10-05
2025年10月5日 當山日出夫
『とと姉ちゃん』「常子、ホットケーキをつくる」
このドラマは、戦後になって、「あなたの暮し」を刊行するところから、あまり面白くなくなる。戦前までの、木場での部分は、ああ昔はこういう生活があったなあ、と感じるところがあった。しかし、戦後になると、この時代の人びとの生活の感覚を感じる部分が少なくなってくる。
実際に、どんな読者が「あなたの暮し」を講読していたのか。これを描くためには、この時代の世相、風俗、時代背景をある程度は描写しておかないといけないのだが、こういう部分が、ほとんど見えない。この時代であっても、人びとの生活は、多種多様であり、はっきりいえば、お金持ちの生活と貧乏人の生活があったはずである。では、「あなたの暮し」は、どういう社会的階層をターゲットにした雑誌だったのか、ということが重要である。このことと、広告をのせないという会社の方針が、うまくあったからこそ、雑誌は続けることができたはずである。
一般の雑誌の感覚としては、どういう広告が載っているかということも、読者にとって重要な情報である。現代でも、『正論』に載る広告と、『世界』に載る広告は、ちがっている。それぞれの読者層に合わせた広告になっている。広告をめて、読者は雑誌を読んでいる。(ちなみに、『正論』を見ると、杉本五郎の『大義』が今でも売られている本だということが分かる。しかし、『世界』では、これが分からない。)
雑誌に広告を求めない、読者層とはどんな人たちだったのか、ここが描けていないのである。だが、これは、『暮しの手帖』の歴史と深くかかわることなので、描くことが難しいところだったのだろうと思う。
2025年10月4日記
『とと姉ちゃん』「常子、ホットケーキをつくる」
このドラマは、戦後になって、「あなたの暮し」を刊行するところから、あまり面白くなくなる。戦前までの、木場での部分は、ああ昔はこういう生活があったなあ、と感じるところがあった。しかし、戦後になると、この時代の人びとの生活の感覚を感じる部分が少なくなってくる。
実際に、どんな読者が「あなたの暮し」を講読していたのか。これを描くためには、この時代の世相、風俗、時代背景をある程度は描写しておかないといけないのだが、こういう部分が、ほとんど見えない。この時代であっても、人びとの生活は、多種多様であり、はっきりいえば、お金持ちの生活と貧乏人の生活があったはずである。では、「あなたの暮し」は、どういう社会的階層をターゲットにした雑誌だったのか、ということが重要である。このことと、広告をのせないという会社の方針が、うまくあったからこそ、雑誌は続けることができたはずである。
一般の雑誌の感覚としては、どういう広告が載っているかということも、読者にとって重要な情報である。現代でも、『正論』に載る広告と、『世界』に載る広告は、ちがっている。それぞれの読者層に合わせた広告になっている。広告をめて、読者は雑誌を読んでいる。(ちなみに、『正論』を見ると、杉本五郎の『大義』が今でも売られている本だということが分かる。しかし、『世界』では、これが分からない。)
雑誌に広告を求めない、読者層とはどんな人たちだったのか、ここが描けていないのである。だが、これは、『暮しの手帖』の歴史と深くかかわることなので、描くことが難しいところだったのだろうと思う。
2025年10月4日記
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