『とと姉ちゃん』「常子、星野に夢を語る」「常子、仕事と家庭の両立に悩む」2025-11-16

2025年11月16日 當山日出夫

『とと姉ちゃん』「常子、星野に夢を語る」「常子、仕事と家庭の両立に悩む」

このドラマも終盤である。はっきりいって、あまり面白いと感じなくなってきている。

働く女性ということと、家庭ということ、ありふれたテーマであるが、描くとなると、それぞれの時代背景や、人びとの考え方の変化ということがあるので、難しいところでもある。この部分について、このドラマの描き方は、あまりにも紋切り型になっていると感じる。

基本的に専業主婦であった母親(かか)のこととか、水田と結婚して仕事を辞めた鞠子のこととか、生き方の比較として描かれていてもいいと思うのだが、そういうことになっていない。森田屋の夫婦も、働く家族というあつかいでもないようである。

それから、電気釜の商品テストなのだが、昭和30年代のはじめのころの、東京の一般の家庭の家事の実情がどんなものだったのか、ここが見えてこないので、今ひとつ説得力がない。私の経験的なこととしては、いくぶんの欠陥があったとしても、ご飯を炊くのにかまどで薪を焚かなくてもよくなったというのは、家事や台所仕事のあり方の歴史として、画期的なことだったと思う。火事になったりというような、大きな欠陥が無い限り、完璧な電気釜をもとめるということの方が、この時代を描くこととしては、すこし無理があるような気がしてならない。

「暮しの手帖」が、実際にこういう企画を記事にしていたということで、ドラマとしてもそうなっているのだろうが、ここは、もう少し、時代の背景を感じるような作り方ができなかったものかと思う。『とと姉ちゃん』を作った2016年のころの家電製品についての感覚と、昭和30年のはじめのころ、高度経済成長の時代になって、都市部に人が働きに集まり始めたころ、この時代の違いということを、どうしても思ってしまうのである。

2025年11月15日記

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