アートの世界におけるTwitterの可能性2010-06-15

2010-06-15 當山日出夫

WEBマガジン(ニッシャ印刷文化振興財団)に書いたものが公開になったので、紹介。

▼AMeeT/トップページ
http://www.ameet.jp/

▼Digital Archives/アートの世界におけるTwitterの可能性
http://www.ameet.jp/digital-archives/digital-archives_20100614/#page_tabs=0

ソーシャルメディアとアートというような方向で書いたもの。最後のところは、印刷業によるWEBマガジンということもあって、電子出版とTwitterという方向にもっていった。で、結局のところ……この前、丸善(東京)であった、「ARGトーク」(ブックビジネス2.0)で、話題になったことと、そう大差の無い内容になってしまっている。

ARGトーク 「この先にあるブック・ビジネスのかたち-持続可能な「知のエコシステム」の構築のために」
http://d.hatena.ne.jp/arg/20100614/1276527239

まあ、強いていえば、電子書籍を考えるとき、ソーシャルメディアを視野にいれて考えれば、だいたい誰も似たようなことを考えるということであろうか。

ただ、新しい、ソーシャルメディアの中での本作りは、次の世代の仕事になるだろうとは思っている。既存の本のデジタル化ではなく、ゼロから、その発想でつくる、インタラクティブな書籍が、今後の新しい出版関係者の間から生まれてくるだろう。この意味では、電子出版なる=出版社がつぶれる、という単純な図式はなりたたない。むしろ、電子出版の時代をむかえて、それに対応できる、柔軟で自由な発想のできる人材と、それを実現する確かな技術力を持っているところが、生き残っていくだろう。

たぶん、雑誌など、あるいは、絵本(児童書)などが、まずは、電子出版に向いて動くかもしれない。そのとき、シームレスに、Twitterなどのソーシャルメディアとつながっている本が出現する……かもしれない。そこには、そうたいした技術の壁があるとは思えない。むしろ、発想の転換だろう。

ただ、この一方で、逆に、典拠のきちんとした安定したテキストを提供することの意味もある。これは、7月3日の、DVD版内村鑑三刊行記念シンポジウムで、話題になることだと思っている。知的生産につかえる電子書籍である。

ともあれ、電子書籍を考えるとき、あまりにも「本」というものにとらわれないで、もうちょっと自由に、その外側にある世界、たとえば、Twitterでの俳句や短歌、小説など、とつながっているのである、という発想から考えてみた方がいいと思うのである。この意味で、Twitterとアートについて考える文章を書く機会があったことは、私自身にとっても、非常にいろいろと得ることがった。

當山日出夫(とうやまひでお)