アナザーストーリーズ「天才激突!黒澤明VS勝新太郎」 ― 2025-03-17
2025年3月17日 當山日出夫
アナザーストーリーズ 「天才激突!黒澤明VS勝新太郎」
このことがあったときのことは憶えている。このころ、映画はよく見たのだが、さして関心をいだくことなく終わっていたように思う。
番組の作り方としては、映画の業界の中の人間でないと語れない視点から見るとどうだったか、ということで作ってあった。黒澤の側、勝の側、それぞれに非常に個性の強い監督と役者なのだが、映画のくろうとの世界では、こういう人もいて、こういうこともあっていいのだろう、ぐらいの感じで今は思っている。この時代まで、今は変わったかもしれないが、映画を作るというのは、世間一般とは違った人たちの仕事……それは、一般の人びとから見ると、羨望と差別のないまじったものかもしれないが……であったろう。少なくとも、私は、そういう感覚で映画の世界を見るということに、共感できるところがある。
印象に残るのは、黒澤のスクリプターをしていた女性(野上)。その話しぶりは、やはりその業界の人間だなあと、感じさせる。こういう雰囲気で話しができる人が、今ではもう希かもしれない。
勝新太郎が、脚本なしで、ほとんど現場での思いつきで、台詞や演出を考えて映画を作った件、昔は、こんなこともあったのだろう。それが出来るのが、映画制作の現場であり、また、勝新太郎という役者でもあったことになる。(それにしても、原田美枝子というのは、いい女優さんだなと思う。若いとき映画で見たとき、とても魅力的だった。)
以前、高峰秀子の本を読んでいて、戦前は、文字の読めない映画監督もいた、と書いてあって、驚いたことがある。だが、映画をふくめて、芸能の世界というのは、そういうことがあってもおかしくはないともいえるだろう。
白井佳夫が出ていた。私ぐらいの年代だと、キネ旬の編集長で、映画評論家として、とてもかっこいい存在だった。一般に、映画評論家が、かっこよかった時代でもあった。白井佳夫について語るだけで、日本の映画史だけではなく、社会の歴史をふかく考えることにつながるにちがいない。
2025年3月11日記
アナザーストーリーズ 「天才激突!黒澤明VS勝新太郎」
このことがあったときのことは憶えている。このころ、映画はよく見たのだが、さして関心をいだくことなく終わっていたように思う。
番組の作り方としては、映画の業界の中の人間でないと語れない視点から見るとどうだったか、ということで作ってあった。黒澤の側、勝の側、それぞれに非常に個性の強い監督と役者なのだが、映画のくろうとの世界では、こういう人もいて、こういうこともあっていいのだろう、ぐらいの感じで今は思っている。この時代まで、今は変わったかもしれないが、映画を作るというのは、世間一般とは違った人たちの仕事……それは、一般の人びとから見ると、羨望と差別のないまじったものかもしれないが……であったろう。少なくとも、私は、そういう感覚で映画の世界を見るということに、共感できるところがある。
印象に残るのは、黒澤のスクリプターをしていた女性(野上)。その話しぶりは、やはりその業界の人間だなあと、感じさせる。こういう雰囲気で話しができる人が、今ではもう希かもしれない。
勝新太郎が、脚本なしで、ほとんど現場での思いつきで、台詞や演出を考えて映画を作った件、昔は、こんなこともあったのだろう。それが出来るのが、映画制作の現場であり、また、勝新太郎という役者でもあったことになる。(それにしても、原田美枝子というのは、いい女優さんだなと思う。若いとき映画で見たとき、とても魅力的だった。)
以前、高峰秀子の本を読んでいて、戦前は、文字の読めない映画監督もいた、と書いてあって、驚いたことがある。だが、映画をふくめて、芸能の世界というのは、そういうことがあってもおかしくはないともいえるだろう。
白井佳夫が出ていた。私ぐらいの年代だと、キネ旬の編集長で、映画評論家として、とてもかっこいい存在だった。一般に、映画評論家が、かっこよかった時代でもあった。白井佳夫について語るだけで、日本の映画史だけではなく、社会の歴史をふかく考えることにつながるにちがいない。
2025年3月11日記
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2025/03/17/9761598/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。