『八重の桜』「覚馬の娘」2026-01-19

2026年1月19日 當山日出夫

『八重の桜』「覚馬の娘」

自由民権運動から、明治14年の政変、ということを時代背景にしている。それを、京都の同志社でのできごととからめて描こうというのは、これはこれで、理解できる作り方ではあるが、ドラマとして見て、今ひとつ面白くない。

政治の動きのなかでの、為政者たちの虚々実々のかけひきがあるというわけでもないし(結果としてどうなるかは分かっていることなのだが)、時代の風潮の中で京都の同志社に学ぶ学生たちの気持ちが、どんなものだったか、じっくりと描かれるというわけでもない。

同志社で学生たちが何を学んでいたのか、カリキュラムや授業科目名は出てきたことがあるのだが、実際に何を勉強して、何を考えていたのか、このあたりのことがはっきりしない。先週だったと思うが、最初の卒業生(主に熊本バンド)のことがあったが、その学生たちが、卒業後、どのような進路にすすんだのか、描かれていない。一部は、伝道ということにたずさわることになるのだが。

同志社での演説会のことが出てきていたが、近代になってからの演説ということにふれるならば、慶應義塾での三田演説館のことを無視するのは、どうかなと思う。ドラマのメインが同志社のことであるとしても、明治の近代になってからの教育が、政治や文化とどうかかわっているのかということが、まったく見えてきていない。

明治になってからの京都の街ということは、とても興味深い題材だと思うのだが、京都の街の近代化、古くからの人びとの生活、廃仏毀釈のこと……など、ドラマとして面白いことがたくさんあるはずだが、うまくあつかうことができていない。というよりも、まったく無視して話しがすすんでいる。

見ている範囲のドラマとしては、それなりに面白く作ってあるのだが、この時代と、この地域のことを考えると、もうちょっとどうにかなったのではないかと思うところである。

2026年1月19日記

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