『教えたくなる名短篇」北村薫・宮部みゆき(編)2021-02-15

2021-02-15 當山日出夫(とうやまひでお)

教えたくなる名短篇

北村薫・宮部みゆき(編).『教えたくなる名短篇』(ちくま文庫).筑摩書房.2014
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480431646/

続きである。
やまもも書斎記 2021年2月13日
『読まずにいられぬ名短篇』北村薫・宮部みゆき(編)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/02/13/9346621

この冊に収録してあるのは、次の作家。

蜂飼耳
角田光代
若竹七海
チェーホフ
ブロスベル・メリメ
ヘンリー・ジェイムズ
コーリー・フォード
小熊秀雄
コンラッド・エイケン
長谷川修

著名な作家もあれば(私でも名前を知っている)、あるいは、現代ではもう知られなくなってしまった作家もいる。この冊で、二編の作品がはいっている、長谷川修などそうであろう。

これで、ちくま文庫版の「名短篇」アンソロジーのシリーズ(北村薫・宮部みゆき)を順番に読んできたことになる。おそらく、このアンソロジーを手にしていなければ、読むことのない作品、名前を知ることのない作家が幾人もいる。こういう仕事は貴重であると思うし、また、これはこれで芳醇な読書の楽しみの一つであるといっていいだろう。

ところで、長谷川修の「ささやかな平家物語」……これを読むと、『平家物語』や『愚管抄』を読んでみたくなる。ある意味で、この作品の書かれた時代は、『平家物語』などは、コンテンポラリーな文学として読まれる時代であったともいえようか。

それから「短篇集」のこの冊にきて、翻訳作品が多くいれてある。どれも、今からでも読もうと思えば読める作品のようだ。機会をみつけて、これらの作家の他の作品など読んでみたいとも思う。

2021年2月11日記