やまもも書斎記

著作権のこと雑感 ― 2009-09-05

2009-09-05 當山日出夫

いま、著作権の問題、ある意味で議論の軸になりそうなのが、三田誠広。その一方で、電子図書館(長尾真)があり、グーグルブックスがある。というような構図を、とりあえず頭のなかで構築しておいて、あれこれと、WEBを見てみる。

ただ、次のような文章を読むと、これを書いた人(三田誠広)はバカであると断じるに、やぶさかではない。

「100年後も作品を本で残すために」――三田誠広氏の著作権保護期間延長論
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0707/25/news057.html

どこがどのようにバカであるかは、これから、(時間があれば)論じていきたい。しかし、このブログを読んでいるほどの人なら、わざわざ説明は不要かもしれないが。

WEBとデジタルの時代に、新しい出版ビジネス、コンテンツ流通のモデルを語ろう、この方がよっぽど生産的であり、また、頭脳の使い方としても健康的である。

100年前の本を今のわれわれは、そのまま読めるだろうか。明治の末~大正初期あたり。当時の「活字」を、現在のコンピュータ組版で、新字新仮名遣いにしたら、同一性保持権の侵害になる・・・かもしれない。

さらに1000年さかのぼってみれば、『源氏物語』。オリジナルがどのようなものであったかは分からないが、ともあれ、変体仮名をつかい仮名文字主体で書かれた仮名文を、現在の仮名字体に統一して、かつ、仮名表記の語に漢字をあてる、これは、どう考えても、同一性保持権(著作者人格権)の侵害ではないか。

この場合、平安時代、1000年前に著作権という法律がなかったのだから、遡及して考えるのはおかしいという反論は、無意味である。文化の継承と創造、そのためにこそ著作権がある、これが私の基本の考え方。この方向としては、校訂権とか、原本(写本・版本)の所蔵者の権利、ということを、考えなければならないはずである。

グーグルブックスは海賊版か、これは別に考えてみたい。

Copy & Copyright Diary
基本問題小委員会傍聴 2009年4月20日
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20090420/p1

當山日出夫(とうやまひでお)

追記 2009-09-05
100年後の「本」を語るということは、同時に、100年後の「ことば」(日本語)を語ることもである。

by やまもも [著作権] [出版・書物] [コメント(0)|トラックバック(0)]

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