『ブギウギ』「大空の弟」2023-12-10

2023年12月10日 當山日出夫

『ブギウギ』第10週「大空の弟」

この週のステージの回は、朝ドラの歴史に残るだろう。

「大空の弟」は、実際に笠置シズ子が歌った音源、レコードが残っているのではない。楽譜が近年になって発見されたのだが、それも完全なものではない。それを、このドラマの作中で歌うようにアレンジして使ったことになる。

茨田りつ子の「雨のブルース」、福来スズ子の「大空の弟」、それにつづいて「ラッパと娘」、この流れだけであるが、十分に見応えがあった。

時代の背景としては、昭和一六年から一七年のころのことになる。太平洋戦争が始まった。このころの時代の雰囲気としては、いろんな回想がある。昭和戦前をひたすら暗い時代として描くものもある。そうではなく、太平洋戦争が始まってしばらくころまでは、まだ社会の明るさがあった時代とするものもある。が、少なくとも、昭和一六年一二月の太平洋戦争開戦を境にして世の中が大きく変わることになっていったということはたしかだろう。

スズ子の歌う歌も敵性音楽とされるが、しかしまったく禁じられてわけではない。まだかろうじて歌うことのできた時代である。東京では無理でも地方巡業なら歌うことができたようだ。これから本格的に戦争の時代になる。その時代をミュージシャンたちはどのような思いで生きることになったのか、このドラマは、このあたりの事情をかなり丁寧に描いていくことになるかと期待している。

さて、次週以降、いよいよスズ子の恋人の登場になるらしい。どんな展開になるか楽しみに見ることにしよう。

2023年12月9日記

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