BS世界のドキュメンタリー「バチカンのスイス衛兵 教皇を守る精鋭たち」 ― 2025-08-21
2025年8月21日 當山日出夫
BS世界のドキュメンタリー 「バチカンのスイス衛兵 教皇を守る精鋭たち」
2023年、フランスの制作。
これは面白かった。
バチカンの衛兵が、スイスの傭兵(ということばは番組のなかでつかっていなかったが)であることは、知ってはいたことだが、具体的に、どんな人たちがどんな仕事をしているのかは、知らなかった。
資格としては、カトリック信者であることが条件なのは当然だと思うが、言語としては、別にイタリア語話者であることが求められているわけではないようだ。実際に番組に登場していたのは、フランス語を使う人たちであった。よくわからなかった、聞き取れなかったところもあるのだが、バチカン衛兵のことばは、何語なのだろうか。イタリア語に限っているということでもなさそうである。まあ、スイス出身ということであるならば、フランス語、イタリア語、ドイツ語は、分かる言語なのだろうと思ってみるが、はたしてどうなのだろうか。
儀礼的な衛兵の仕事は、かっこいいとは思うが、長時間じっとしているというのも、これは大変な仕事だろうと思う。
教皇の身辺警護のための訓練や装備なども、一部映っていたが、本格的というか、実戦を考えている。携帯して銃の撮影は出来なかったということだったが、弾薬の準備の場面が映っていたので、専門家が見れば、どのような銃を使っているかは、想像できることだろうと思う。
教皇は、(この番組の収録の時点で、であるから、前の教皇であるが)、頻繁に外国に出かける。高齢でありながら年に何度も外国に行くというのは、大変なことだと思う。
行ったさきが、中東のバーレーンであるというのも、興味深い。無論、イスラムの国であるが、この国で、労働者として働いているのはアジアからやってきた人びと。この人びとは、カトリックの信仰を持っている。(おそらく、アジアの場合はフィリピンなどが多いのかと思うが。あるいは、中南米からだろう。)バーレーンの労働者のカトリックの人びとのために、ミサをとりおこなう。これは、そのイスラムの国の政府にとっても(王様の独裁国家であるが)、また、バチカンにとっても、それぞれに意義のあることになる。かなり、したたかだという印象がある。しかし、現地の信者の人びとは、敬虔な信仰を持っている。
さて、日本で、皇宮警察とか、自衛隊の儀仗隊とか、どんなふうになっているのかと思ったりするが、取材は難しいのだろうか。
2025年8月17日記
BS世界のドキュメンタリー 「バチカンのスイス衛兵 教皇を守る精鋭たち」
2023年、フランスの制作。
これは面白かった。
バチカンの衛兵が、スイスの傭兵(ということばは番組のなかでつかっていなかったが)であることは、知ってはいたことだが、具体的に、どんな人たちがどんな仕事をしているのかは、知らなかった。
資格としては、カトリック信者であることが条件なのは当然だと思うが、言語としては、別にイタリア語話者であることが求められているわけではないようだ。実際に番組に登場していたのは、フランス語を使う人たちであった。よくわからなかった、聞き取れなかったところもあるのだが、バチカン衛兵のことばは、何語なのだろうか。イタリア語に限っているということでもなさそうである。まあ、スイス出身ということであるならば、フランス語、イタリア語、ドイツ語は、分かる言語なのだろうと思ってみるが、はたしてどうなのだろうか。
儀礼的な衛兵の仕事は、かっこいいとは思うが、長時間じっとしているというのも、これは大変な仕事だろうと思う。
教皇の身辺警護のための訓練や装備なども、一部映っていたが、本格的というか、実戦を考えている。携帯して銃の撮影は出来なかったということだったが、弾薬の準備の場面が映っていたので、専門家が見れば、どのような銃を使っているかは、想像できることだろうと思う。
教皇は、(この番組の収録の時点で、であるから、前の教皇であるが)、頻繁に外国に出かける。高齢でありながら年に何度も外国に行くというのは、大変なことだと思う。
行ったさきが、中東のバーレーンであるというのも、興味深い。無論、イスラムの国であるが、この国で、労働者として働いているのはアジアからやってきた人びと。この人びとは、カトリックの信仰を持っている。(おそらく、アジアの場合はフィリピンなどが多いのかと思うが。あるいは、中南米からだろう。)バーレーンの労働者のカトリックの人びとのために、ミサをとりおこなう。これは、そのイスラムの国の政府にとっても(王様の独裁国家であるが)、また、バチカンにとっても、それぞれに意義のあることになる。かなり、したたかだという印象がある。しかし、現地の信者の人びとは、敬虔な信仰を持っている。
さて、日本で、皇宮警察とか、自衛隊の儀仗隊とか、どんなふうになっているのかと思ったりするが、取材は難しいのだろうか。
2025年8月17日記
ウチのどうぶつえん「夏だー!ゾクゾク水族館」 ― 2025-08-21
2025年8月21日 當山日出夫
ウチのどうぶつえん 夏だー!ゾクゾク水族館
大阪湾の関空の周辺の海が、生態系としてゆたかな環境を作っているということは、知られていることだと思う。スナメリというのは、これまで、水族館で見たことがあっただろうか、はっきり覚えていないのが正直なところである。関空周辺でスナメリが棲息していて、それを海遊館で調査しているという。海遊館は、こういうこともやっているのかと、これは興味深かった。
大洗のサメがいっぱいいる水族館は、これまでにも、見たと覚えている。水槽のなかで一緒におよいでいる魚を食べてしまうこともあるらしい。生きものを飼っているのだから、こういうこともある。
サメの食事を個体識別して、どのサメがどれぐらい食べたか記録しているというのも、面白い。こういう地道な仕事があって、水族館での飼育がなりたっている。
シロワニの繁殖のために、現地(小笠原近海)の環境に似せるため、水温の変化の幅をおおきくする。チャレンジングではあるが、これは、無事に成功したことになる。水族館や動物園などでは、現在では、なるべく自然のままに近い環境で飼育する方向になってきていると思っているが、これも、その流れのなかの一つということになるだろう。
水族館で飼育しているからといって、種が分かっているわけではなく、中にには新種がいることもある。なるほど、そういうものかと思う。イソギンチャクの分類が専門で、生物の分類を研究するということは、要するに自分の名前を付けることだというのは、たしかにそのとおりではある。発見者の名前が学名の一部になる。
イソギンチャクの新種を見つけるためには、その胴体を輪切りにして調べる、ということは初めて知った。こういう研究は、ナチュラリストとしては、とても楽しいだろうなと感じる。
2025年7月31日記
ウチのどうぶつえん 夏だー!ゾクゾク水族館
大阪湾の関空の周辺の海が、生態系としてゆたかな環境を作っているということは、知られていることだと思う。スナメリというのは、これまで、水族館で見たことがあっただろうか、はっきり覚えていないのが正直なところである。関空周辺でスナメリが棲息していて、それを海遊館で調査しているという。海遊館は、こういうこともやっているのかと、これは興味深かった。
大洗のサメがいっぱいいる水族館は、これまでにも、見たと覚えている。水槽のなかで一緒におよいでいる魚を食べてしまうこともあるらしい。生きものを飼っているのだから、こういうこともある。
サメの食事を個体識別して、どのサメがどれぐらい食べたか記録しているというのも、面白い。こういう地道な仕事があって、水族館での飼育がなりたっている。
シロワニの繁殖のために、現地(小笠原近海)の環境に似せるため、水温の変化の幅をおおきくする。チャレンジングではあるが、これは、無事に成功したことになる。水族館や動物園などでは、現在では、なるべく自然のままに近い環境で飼育する方向になってきていると思っているが、これも、その流れのなかの一つということになるだろう。
水族館で飼育しているからといって、種が分かっているわけではなく、中にには新種がいることもある。なるほど、そういうものかと思う。イソギンチャクの分類が専門で、生物の分類を研究するということは、要するに自分の名前を付けることだというのは、たしかにそのとおりではある。発見者の名前が学名の一部になる。
イソギンチャクの新種を見つけるためには、その胴体を輪切りにして調べる、ということは初めて知った。こういう研究は、ナチュラリストとしては、とても楽しいだろうなと感じる。
2025年7月31日記
ドキュメント72時間「大谷翔平を見つめて ロサンゼルスと岩手」 ― 2025-08-21
2025年8月21日 當山日出夫
ドキュメント72時間 大谷翔平を見つめて ロサンゼルスと岩手
こういう企画もあっていいと思うが、特に印象に残る場面があるというよりも、全体として散漫な感じになってしまっている。これは、場所が、二箇所(岩手とロサンゼルス)に別れたこともあるが、話題を大谷翔平に持って行こうとする部分と、そうではなく、その地域に生活する人びとの語ることに耳をかたむけようとする部分と、これらが、ごちゃごちゃになってしまっている。個々の場面としては、なるほどこういうこともあるのかと思うところがないではないが、見終わって印象に残る番組であったかどうかとなると、あまり印象に残らない。
NHKの意図として、アメリカの現在の移民政策……トランプ大統領になってから違法移民に厳しくなる……ということを批判的に描きたいのだろうとは思うが、それが成功しているかどうかは疑問である。むしろアメリカ社会の問題の根の深さ、複雑さを感じるところが多かった。
黒人ばかりの学校に通うことになった白人の女性が登場してきていたが、これは、ロサンゼルスがいろんな出身の人の夢をかなえる街であるということを言いたいエピソードであるかもしれないが、しかし、その一方では、アメリカのなかで黒人の多い地域がありそこに生まれた白人は不幸であるともとれる。このエピソードは、視点によっては、あきらかにアメリカの黒人を見下している。
面白かったのは、岩手の公園にあつまった高校生たちに、大谷翔平選手のことをきいたときのしらけた感じである。いってみれば、あの人のことは自分たちには関係ないし、といったところだろうか。これが、普通のこの地域の若い人の感覚かもしれないと、思うところがある。それよりも、河童踊りの方に関心がある。(これは、地元のローカルニュースでは放送したことらしいが、全国ニュースでやってもいいことのように思えたのだが。)
どうでもいいことのようだが、映っていたアメリカの人たちは、全体に太っている。あまり健康的な体型とは言いがたいと思えるのだが、意図的に取材し編集してそうなったのか、たまたま、そうなってしまったのか。また、これは意図的なことだろうが、アメリカでの取材対象となった人びとは、社会的階層としては、どちらかといえば低いところの人びとが多かった。ロサンゼルスでは、家賃が高すぎて家に住めなくて、自動車で暮らしてきたという夫婦(移民であるが)の話しなど、これは独立してドキュメンタリー番組であつかってみる価値があるかもしれない。下層の方をふくめて、アメリカ社会の多様性ということがあるのだ、というも重要な視点であるにちがいない。
私自身の大谷翔平選手について思うこととしては、日本のスポーツニュースで大きく取りあげすぎかなという気がするし、まあ、そのおかげで、スポーツというと日本のプロ野球ぐらいしか話題にすることがなかった日本の報道のあり方が、少し変わってきたかなと感じるぐらいである。
2025年8月19日記
ドキュメント72時間 大谷翔平を見つめて ロサンゼルスと岩手
こういう企画もあっていいと思うが、特に印象に残る場面があるというよりも、全体として散漫な感じになってしまっている。これは、場所が、二箇所(岩手とロサンゼルス)に別れたこともあるが、話題を大谷翔平に持って行こうとする部分と、そうではなく、その地域に生活する人びとの語ることに耳をかたむけようとする部分と、これらが、ごちゃごちゃになってしまっている。個々の場面としては、なるほどこういうこともあるのかと思うところがないではないが、見終わって印象に残る番組であったかどうかとなると、あまり印象に残らない。
NHKの意図として、アメリカの現在の移民政策……トランプ大統領になってから違法移民に厳しくなる……ということを批判的に描きたいのだろうとは思うが、それが成功しているかどうかは疑問である。むしろアメリカ社会の問題の根の深さ、複雑さを感じるところが多かった。
黒人ばかりの学校に通うことになった白人の女性が登場してきていたが、これは、ロサンゼルスがいろんな出身の人の夢をかなえる街であるということを言いたいエピソードであるかもしれないが、しかし、その一方では、アメリカのなかで黒人の多い地域がありそこに生まれた白人は不幸であるともとれる。このエピソードは、視点によっては、あきらかにアメリカの黒人を見下している。
面白かったのは、岩手の公園にあつまった高校生たちに、大谷翔平選手のことをきいたときのしらけた感じである。いってみれば、あの人のことは自分たちには関係ないし、といったところだろうか。これが、普通のこの地域の若い人の感覚かもしれないと、思うところがある。それよりも、河童踊りの方に関心がある。(これは、地元のローカルニュースでは放送したことらしいが、全国ニュースでやってもいいことのように思えたのだが。)
どうでもいいことのようだが、映っていたアメリカの人たちは、全体に太っている。あまり健康的な体型とは言いがたいと思えるのだが、意図的に取材し編集してそうなったのか、たまたま、そうなってしまったのか。また、これは意図的なことだろうが、アメリカでの取材対象となった人びとは、社会的階層としては、どちらかといえば低いところの人びとが多かった。ロサンゼルスでは、家賃が高すぎて家に住めなくて、自動車で暮らしてきたという夫婦(移民であるが)の話しなど、これは独立してドキュメンタリー番組であつかってみる価値があるかもしれない。下層の方をふくめて、アメリカ社会の多様性ということがあるのだ、というも重要な視点であるにちがいない。
私自身の大谷翔平選手について思うこととしては、日本のスポーツニュースで大きく取りあげすぎかなという気がするし、まあ、そのおかげで、スポーツというと日本のプロ野球ぐらいしか話題にすることがなかった日本の報道のあり方が、少し変わってきたかなと感じるぐらいである。
2025年8月19日記
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