新常用漢字:名称は決まらず2009-01-17

2009/01/17 當山日出夫

現時点(2009年1月17日、朝9時ごろ)で、Googleニュースで検索すると、新常用漢字表について、報じているのは、昨夜と同じ。共同通信、時事通信、朝日新聞。読売と毎日のサイト内検索では、出てこない。

で、今朝の、朝日新聞の朝刊は、さっそくキープ。スキャンしないといけないが、A4のスキャナで、できるかどうか。表の部分と、解説の部分と、分離しないといけないかも。

気になるのは、名称が決まらなかったこと、かもしれない。字種・字体については、これまでの委員会で議論の経緯があるから、だいたいの予想の範囲。個人的には、「しんにゅう」が「2点」「1点」が混在する、他の部首や部分字体についても、ということは、現実的な文字の運用の観点としては、妥当なところだろう。

常用漢字(それが、新常用漢字になっても)、これだけで、通常の日本語は書けないのであるから。固有名詞(人名・地名)文字は、日本語全体の表記からみれば、ごくわずかであるかもしれないが、その当事者にとっては、絶対に必要な文字である。

ところで、名称の方であるが、「常用漢字」の名称を残したままで、その「改訂版(2010年版)」ということに、なるのであろうか。「標準漢字」などの案もないではなかろう。しかし、これだと、「印刷標準字体」との間で、「標準」とは何かということで、齟齬が生じるおそれがある。(ここで書いた「齟齬」は、常用漢字で書けない。どう言い換えればいいのだろうか。)

かつて「当用漢字」から「常用漢字」への変更のときは、その漢字表のもつ意味が大きくかわった。だが、今回の「常用漢字」の改訂は、字数は増えるが、その日本語(いや、この場合は、国語というべきか)への意味づけは、基本的に踏襲している。

asahi.comから引用するならば、
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日常的な「漢字使用の目安」という基本的な性格は変わらない。
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ということである。

部分字体の整合性をめぐっては、「読む」「書く(手書き)」「コンピュータで入力」と、わけて考えることができるかどうか。教育関係者が、これで、納得するかどうかだと思う。

當山日出夫(とうやまひでお)

追記 2009/01/17

昨日(16日)の委員会の概要については、小形さんの「もじのなまえ」に記されている。
http://d.hatena.ne.jp/ogwata/20090116/p1