『密謀』(藤沢周平)2009-02-01

2009/02/01 當山日出夫

去年からの惰性(?)で、日曜日のよるは、NHKの『天地人』を見てしまう。で、私の歴史の知識の範囲では、人物関係が、もうひとつわからない。シンプルに一人の、とても有名な人物(例えば、織田信長)であれば、その人物を軸にして、なんとなく分かったような気になる。

しかし、上杉謙信の、その次の時代となると、もう分からない。しかも、織田信長や、(後の)豊臣秀吉まで、登場するとなると、頭の中が混乱するばかり。これは、単に、私の歴史的知識の欠乏のせいであろうが、まあ、なんとかしようかと思って買って読み始めた。

藤沢周平.『密謀』上・下(新潮文庫).新潮社.(オリジナルは昭和57年、毎日新聞社)

しかし、読んでみても、よく分からないのである。できれば、本の付録に、系図と人物名(途中で名前が変わったりする)の一覧がほしい。(これでは、まるで、『源氏物語』だ)。とはいえ、風景の描写や季節感の表現には、やはり、藤沢周平だな、と感じさせる作品である。

藤沢周平は、下級武士を主人公にした短編(その連作でも)が、やはり、私の好みである。

當山日出夫(とうやまひでお)

『ARG』360号の感想2009-02-02

2009/02/02 當山日出夫

『ARG』の360号についていささか。

大学HPランキングについて。

これは、私の考えとしては、二つのレベルで考えるべきだろう。

第一には、無条件のユーザビリティ。たとえば、配色が、色覚異常(医学用語では)の人にとって見やすいものであるかどうか。また、視覚障害の人にとっては、画像については、代替テキストが用意してあるかどうか。まずは、このレベルで、考えること。

第二には、誰にとってのHPかという視点。受験生にとってか、在学生にとってか、卒業生にとってか、研究者にとってか、目的によって、異なる。

それから、いろんな大学のHPを見て気づくことのひとつは、学部ごとに、作り方のポリシーがバラバラであることが多い。その学部のことについては、わかっても、では、自分が(かりに学生として)、大学の中でどのような位置づけのところで勉強しているのか、これが見える必要がある。

これは、大規模な総合大学になればなるほどバラバラという印象が強くなるのが普通。

HPは、大学の案内であり、いわば、地図、である。いま、自分がどこにいるのか、まわりに何があるのか、どこに行けば何があるのか、わかないでは、地図としての役割をはたさない。

さて、ライトニングトークの準備の前に、国語研でのワークショップのパワーポイントをつくらないと。

當山日出夫(とうやまひでお)

汲古書院のホームページ2009-02-02

2009/02/02 當山日出夫

笠間書院のメールマガジンで、勝手に広告として出ていたので、こちらも、勝手に宣伝。

汲古書院
http://www.kyuko.asia/

ついでに(?)、笠間書院は、
http://kasamashoin.jp/

汲古書院のホームページ、私としては、ありがたい。

當山日出夫(とうやまひでお)

風呂がこわれた、どうしよう2009-02-02

2009/02/02 當山日出夫

どうでもいいようなことだが、どうしよう、お風呂が壊れてしまった。故障ではない、破損である。昔ふうにいえば、五右衛門風呂にヒビがいったとか、風呂桶の底が抜けたとか、というべき状態。

材質は、硬質のプラスチックだと思うが、底の部分がひび割れてしまった。これでは、お湯をいれるわけにはいかない。

電気温水器は、正常に稼働しているので、シャワーはどうにかなる。まあ、別に、人間、風呂にはいらんでも死にはせんが、なんとなく困るのである。

風が吹くと桶屋がもうかる・・・が、風呂が壊れるとどうなるのだろう。

當山日出夫(とうやまひでお)

デジタルのエートス2009-02-03

2009/02/03 當山日出夫

『デジタルネイティブ』という言葉が氾濫している。(どっかで、見たような言い回しであるが)。私は、この言葉に100%賛成するわけでも、反対でもない。そういうひともいるでしょうがねえ、でも、みんながそうういわけではないでしょう……という、あたり。

この前の日曜日の『朝日新聞』の読書欄(う~ん、いまどき、朝日の日曜の読書欄をチェックする人間など、時代遅れもいいところかもしれないが)に、内田樹の『街場の教育論』『昭和のエートス』が、紹介されていた。

『昭和のエートス』というのは、非常に魅力的である。完全に世代論できってしまっているわけではない。モザイク模様のように、人々の生き方を見る。そうすると、今、生きているひとたち全体は、おおむね世代ごとに、なにがしからの、色の濃淡があり、一見すると階層的な様相をしめす。

この意味で言えば、「デジタルのエートス」という発想で見てみることもいいかもしれない。古くは、「ダイナブック(アラン・ケイ)に「ゆめ」を見た時代から、今の、「デジタルネイティブ」をつらぬく、何かがある。

強いて言えば、コンピュータに対する「愛」かもしれない。そして、今、「デジタルのエートス」は、「ミーム」のように、自然淘汰を生き延びて、世界にひろまりつつある。

(注)「ミーム」は、リチャード・ドーキンンス(『利己的な遺伝子』で有名)による。人間社会における、文化的な遺伝子のようなもの。

當山日出夫(とうやまひでお)

まとめてお買い得2009-02-03

2009/02/03 當山日出夫

どうも、貧乏性なせいか・・・まとめて買ったらお買い得、となると、ついつい手が出てしまう。アドビもそうだし、ジャストシステムもそうだし。あるいは、そもそも、マイクロソフトのオフィスもそうだし。

でも、買ったすべてのソフトを使うということは、経験的に言って、絶対にない。でも、買ってしまう。

Phtoshopの使い方としては、本来のフォトレタッチよりも、色彩の表示を、RGBから、Labに変換するときに、便利。でも、それ以外は、機能が豊富すぎて、困る。

だいたいが、市販のマニュアル本で、使えそうなのが出版されるころには、すでに、次のソフトのバージョンが出ているという状態と、いっても過言ではない。それに、プロの世界は、非常に保守的な職人芸の世界だから、あえて古い安定したバージョンをつかう。

いっそのこと覚悟をきめて、来年からは、InDesignで、授業のレジュメをつくって、PDFにして、ネット上に置いておくか。

そうは思いながら、まとめてお買い得の魅力には、滅法、よわいのである。

當山日出夫(とうやまひでお)

先生への贈り物2009-02-03

2009/02/03 當山日出夫

先日、ある学生と話をしていて・・・北京から来ている中国語の先生が、日本から帰国する。で、学生みんなで、何かプレゼントをあげたい、何がいいでしょうか。

条件1:プレゼントは、各自がそれぞれに自分でえらぶ。
条件2:予算は、(学生のことだから)およそ1000円ぐらいまで。

私の考えるに(というより、自分なら何がもらいたいか)といった方が適切かもしれない。上等の鉛筆など、どうですか、と言ってみた。

いくら、パソコンの時代になっても、筆記具・文房具は、日常的に必要。そのうちで、歳をとってくると、良くなってくるのが、実は、鉛筆。それも、上等の鉛筆は、非常に使いやすい。なめらか。

上等の鉛筆を数本買って、プレゼント用にリボンでもつければ、最高。

ただ、残念なことに、私には、な~んにもくれなかった……

當山日出夫(とうやまひでお)

再度広報、WS「文字の規範」2009-02-03

2009/02/03 當山日出夫

★開催日時を、間違えて書いていました。7日(土)です。ごめんなさい。

いよいよ、第二回のワークショップ:文字-文字の規範-、が近づいてまいりました。ここで、再度、宣伝広報です。JIS漢字から、実際の印刷文字、さらには、絵文字にいたるまで、文字について、なんでもありの研究会です。
どうぞ、気楽に御参加ください。

ただし、このWSは、新常用漢字の批判を意図したものではありません。ただ、みんなの話しのなりゆきがどうなるかは、別ですが。

http://www2.kokken.go.jp/egov/ws_moji090207.html

2009年2月7日(土) 13:15より
国立国語研究所 多目的室

プログラム(予定)
13:15-13:30 基調報告  當山日出夫(立命館大学グローバルCOE)
  「景観文字と字体規範-「祇園」のその後-」

13:30-14:00 発表(1)  小形克宏(フリーライター)
  「表外漢字における略字体の普及と衰退」

14:00-14:30 発表(2) 小池和夫(築地電子活版)
  「JIS X 0213 漢字の選定規準とその問題―JIS X 0213では漢字の選定については,区点位置詳説を掲載していない。選定にあたってはWGで長時間の議論が行なわれたが,最終的に選定の規準を確定することはできなかった。十年一昔というが,選定から10年を経た今,選定にあたってWGでどのような議論があったのか,いくつかの実例を示して検証してみたい。―」

14:30-15:00 発表(3)  狩野宏樹(イワタ)
  「字形規範とフォントデザイン」

15:00-15:15 休憩

15:15-15:45 発表(4)  師茂樹(花園大学)
  「携帯電話の絵文字のUnicode登録をめぐる議論の動向」

15:45-16:15 発表(5)  池田証寿(北海道大学)
  「字書記述と実用例とを連関させた漢字字体の研究方法について」

16:15-16:45 発表(6)  林立萍(台湾大学)
  「台湾の大学入試センターの日本語語彙表に見られる漢字」

16:45-17:00 休憩

17:00-18:00 全体討論

終了後,立川駅周辺にて懇親会を予定しています(19:00から2時間ほど)。

當山日出夫(とうやまひでお)

出席点2009-02-04

2009/02/04 當山日出夫

私は、ある程度以上の人数のクラス(講義)では、出席点は、考慮しない方針でいる。ただし、出席は、毎回とる。成績には、反映させないだけである。

4月、新学期のとき、こういうことにしている。

君たちは、出席点を、評価に加えてほしいと思っているかもしれない。私も、その気持ちがわからんではない。だが、出席点を評価に加えるということは、そこにおける、不正行為、たとえば、友達のカードの代筆などは、試験における不正行為と同じである。これを、見逃すということは断じてできない。発見次第、最も過酷な処分を要求する。また、遅刻、途中退席についても、厳重に対応しなければならない。

では、それでも、君たちは、出席点を、成績評価に加えて欲しいですか?

公平、公正であるということを最重視するならば、上記のようにならざるをえない。

試験=70% レポート=30% また、試験問題は、事前に教えておく(ただし、持ち込みは不可)。

これで、結果に文句をいわれると困る。半日つぶれてしまう。念のため、出席を再調査すると、1回も出ていないのに、ちゃんと出席していました、と主張する。ウソをつくと、かえって墓穴をほるぞ、ということがわからんのかねえ。

後期試験の採点のシーズンは、気持ちのうえでつらいものがある。

當山日出夫(とうやまひでお)

新常用漢字:WS文字の内容一部紹介2009-02-04

2009/02/04 當山日出夫

7日(土)の「第2回ワークショップ:文字-文字の規範-」、発表者のひとり、小形さんからの連絡。発表内容は、つぎのようになるとのこと。

大日本印刷における表外漢字の変遷
日本を代表する印刷会社の一つ、大日本印刷は1950~60
年代にかけて多くの表外漢字に略字体を使用していた。その発生は
何によるものなのか、またいわゆる康煕字典体への転換はなぜおき
たのか、そして1990年前後に到来した情報化時代の混乱とは
何か。同社から提供をうけた社内資料から考えてみたい。

まさに、表外漢字の字体変遷は、JIS漢字の問題でもあり、また、今度の新常用漢字が直面する問題です。つまり、表(常用漢字表)の外にあった字を、あらたに表の中にとりこむわけですから。

印刷・出版関係で、活字の変遷に御興味のある方にとっては、きわめて、貴重な報告となると思います。

當山日出夫(とうやまひでお)

追記 2009/02/04
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http://d.hatena.ne.jp/ogwata/20090204/p1