NHKスペシャル「トランプ流“ディール” 日本企業・激震の舞台裏」 ― 2025-04-08
2025年4月8日 當山日出夫
NHKスペシャル トランプ流“ディール” 日本企業・激震の舞台裏
録画しておいて、翌日に見た。
国際政治とか、経済とか、まったくの門外漢なので、特に何か書いてみようとは思わないのだが、見ていて気になったことがある。
番組に出てきたトランプ政権のブレインという人はこう言っていた……アメリカの大学を出ていない労働者の生活は、1970年代から、変わっていない。アメリカンドリームは消えた。
一方で、日本の側として、藪中三十路はこういうことを言っていた……トランプはアメリカの富がうばわれたといっているが、アメリカの一人あたりのGDPは世界で最も高い。アメリカは、もっとも豊かな国である。
これはあきらかに認識、論点のずれがある。NHKはわかっていて、こういう発言が並ぶように番組を作ったのだろうか。
トランプ大統領を支持している人たちは、いわゆるラストベルトの忘れられた人びとである。この人たちの多くはは、ひょっとするとトランプが好きということではないのかもしれない。ありていにいえば、トランプは嫌いだが、民主党のバイデンやハリスは、もっともっと嫌いである、というぐらいの感覚ではないかと、私は思うのだが、どうなのだろうか。
要するに、アメリカのGDPが高いのは、一部のお金持ちがごっそりと稼いでいるだけのことであり、大多数の労働者はおいてけぼりにされている。これを、どうしてくれるんだ、ということになる。(そのかぎりにおいて、トランプ政権の政策は妥当であると言っていいのだろう。)
この状況で、日本から総理がアメリカに行って会談したとしても、どうこうなる問題でないことはあきらかである。万が一、アメリカと交渉の結果、日本だけが関税を下げることができたとして、世界的な原材料のサプライチェーンのなかで、それですぐに、日本の国益になるということはないだろう。この先の展望を描ける人は、はたしているだろうか。
ここは冷静に我慢する、国際的な多国間連携でなんとか打開の道をさぐる、というぐらいのことしかないはずだが、冷静に我慢する、ということほど、国のリーダーにとって難しいことはないかもしれない(無論、経済対策、安全保障に万全を期してであるが)。えてして、マスコミや世論というのは、そして最近ではソーシャルメディアも、対外強硬姿勢(それが対米であれ、対中であれ)で、反政府の気勢を上げるものである、というのが世の習いである。
2025年4月7日記
NHKスペシャル トランプ流“ディール” 日本企業・激震の舞台裏
録画しておいて、翌日に見た。
国際政治とか、経済とか、まったくの門外漢なので、特に何か書いてみようとは思わないのだが、見ていて気になったことがある。
番組に出てきたトランプ政権のブレインという人はこう言っていた……アメリカの大学を出ていない労働者の生活は、1970年代から、変わっていない。アメリカンドリームは消えた。
一方で、日本の側として、藪中三十路はこういうことを言っていた……トランプはアメリカの富がうばわれたといっているが、アメリカの一人あたりのGDPは世界で最も高い。アメリカは、もっとも豊かな国である。
これはあきらかに認識、論点のずれがある。NHKはわかっていて、こういう発言が並ぶように番組を作ったのだろうか。
トランプ大統領を支持している人たちは、いわゆるラストベルトの忘れられた人びとである。この人たちの多くはは、ひょっとするとトランプが好きということではないのかもしれない。ありていにいえば、トランプは嫌いだが、民主党のバイデンやハリスは、もっともっと嫌いである、というぐらいの感覚ではないかと、私は思うのだが、どうなのだろうか。
要するに、アメリカのGDPが高いのは、一部のお金持ちがごっそりと稼いでいるだけのことであり、大多数の労働者はおいてけぼりにされている。これを、どうしてくれるんだ、ということになる。(そのかぎりにおいて、トランプ政権の政策は妥当であると言っていいのだろう。)
この状況で、日本から総理がアメリカに行って会談したとしても、どうこうなる問題でないことはあきらかである。万が一、アメリカと交渉の結果、日本だけが関税を下げることができたとして、世界的な原材料のサプライチェーンのなかで、それですぐに、日本の国益になるということはないだろう。この先の展望を描ける人は、はたしているだろうか。
ここは冷静に我慢する、国際的な多国間連携でなんとか打開の道をさぐる、というぐらいのことしかないはずだが、冷静に我慢する、ということほど、国のリーダーにとって難しいことはないかもしれない(無論、経済対策、安全保障に万全を期してであるが)。えてして、マスコミや世論というのは、そして最近ではソーシャルメディアも、対外強硬姿勢(それが対米であれ、対中であれ)で、反政府の気勢を上げるものである、というのが世の習いである。
2025年4月7日記
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2025/04/08/9766761/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。