映像の世紀バタフライエフェクト「ニューヨーク・ニューヨーク」2025-10-15

2025年10月15日 當山日出夫

映像の世紀バタフライエフェクト ニューヨーク・ニューヨーク

はっきりいって、この回は、(私には)あまり面白くなかった。

ニューヨークの都市の歴史を語ることと、アメリカの人種問題を語ることと、ニューヨークタイムズなどのジャーナリズムを語ること、その他、いろんなことがごたごたと並べてあっただけで、では、ニューヨークという都市を見ることによって、何が見えてくるのか、ということがはっきりしなかった。個々のエピソードは、それぞれ興味深いものではあるのだが、全体として、何をいいたいのか分かりにくい。

都市のことを語りながらも、そこに生活する人々の感覚がどんなものだったが、感じられなかったということになるだろうか。それは、貧乏人であっても、お金持ちであっても、あるいは、いろんな国からやってきた移民の人びとであっても、黒人であっても、どういう暮らしをしていたのかが、うかがえないのである。

ニューヨークのセレブがどんなか分かったところで、それで世の中のことが理解できるということにはならないと思う。まあ、こんな人たちがいるとして、勝手にやっててくれればいい、というぐらいである。

ヒトラーの住まいで写した写真は興味深い。写真の不思議さなのだが、写す人と、写される人との関係性、という観点から見て、どういう気持ちで撮ったのだろうか。普通の日本人の感覚だと、ヒトラーの住居の浴槽で風呂に入ろうとは思わないだろうし、ましてや、その場面を写真に写ろうとも思わない、と私は思う。

これが、ハーレムに絞ったり、あるいは、高層ビルに絞ったり、ということであったならば、一般にいわれているような、アメリカとは違ったところが見えてきたのかもしれないと思う。セントラルパークの歴史でも、面白いことがあるかとも思う。ここで起こった出来事をたどるだけでも、いろいろなことがあるだろう。

とはいえ、一番興味深かったのは、最後に出てきたこと。超高層ビルの住居があっても、それは、一部の中国やロシアなどの超富裕層が、投資目的で買っただけで、住んでいる人はいない……ということだろう。人間の住まない、人間の生活のない都市には、魅力があろうはずがない。

2025年10月8日記

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