情報処理教育と作文教育2007-11-28

アカデミック・ライティングの授業を担当してくれませんか・・・と依頼されて、引き受けることにした。理由は、依頼されたから、というだけではない。それ以前から、担当していた、コンピュータ関係の授業(情報処理入門、人文科学のための情報処理・応用)で、実際に教えていたのは、コンピュータ(ワープロ=Word)による、文書作成技能、であったからである。

いまの時代、文章を書く=パソコンを使う、である。であるならば、コンピュータ教育と、作文教育とは、連続的につながるものでなければならない。それは、基本的に、アカデミックな世界での文書作成を目的とする。同時に、そこで身につけた技能が、一般のビジネス文書作成にも、役立つものでなければならないだろう。

大学教育=高等教育で、はあるが、高等教育=研究者養成、ではない。これは、私の認識である。

まずは、大学で提出するレポート・論文の書き方、それも、きわめて形式的なことがらを、きちんと教える。

Wordの使い方入門の本など、書店で、選択に困るほど売っている。だが、それらの解説書で、「脚注」のつけかた、をきちんと解説したものが、あるだろうか。

言うまでもないが、アカデミックなレポート・論文には、「脚注」はつきものである。そして、いかんともしがたいことであるが、Wordの脚注の機能は、日本語の文書に適さない。だが、これを、使うしかない。

そして、重要なのが、文献リスト。この書き方が、ややこしい。特に、文学部の場合・・・心理学・地理学などの分野と、日本文学・日本史などの分野では、文献リストの書き方の、ルールが異なる。それが、同じ学部の中に同居しているのだから、困る。「このルールで書きなさい」と、強制するわけにはいかない。専門の科目なら、こういう言い方もできる。しかし、一般教養的な科目では、無理である。

文献リストの整理には、Excelを使うのが常道だろう。となると、

1、まず、Excelの基本操作ができないといけない。

2、Excelから、Word文書に、文字列として、変換できないといけない。

3、そのとき、書いているレポートや論文のルールにしたがったものが作れないといけない。

これらの事柄はワンセットである。コンピュータの操作(WordやExcel)と、アカデミックな文書作成(文献リストや脚注)とは、同時に、あるいは、連続的に教えるのが、効率的である。

当然、この続きには、インターネット上の学術情報、その利用のルールやマナーということもある。

限られた授業時間内で、なにをどう教えていくか、まさに試行錯誤のはじまりである。