『らんまん』あれこれ「ヤマザクラ」 ― 2023-07-02
2023年7月2日 當山日出夫
『らんまん』第13週「ヤマザクラ」
万太郎と寿恵子は祝言をあげることになった。
万太郎は寿恵子をつれて土佐に帰った。そこで、故郷の人びとに祝福される。だが、祖母のタキの病状がおもわしくない。タキが元気なうちにということなのだろう、東京から寿恵子の母(まつ)がやってくる。仲人(大畑夫妻)も一緒である。
同時に、竹雄と綾も一緒になって、これからの峰屋をもりたてていくということになった。
この祝言の場面なのだが、タキは、これからは「家」の時代ではない。個人がそれぞれに幸福を追求する時代である……という意味のことを語った。それまでは、本家と分家ということをやかましく言っていたタキが、考え方を変えたことになる。これには、分家の方としては不満もあったようだ。だが、このあたりは、ドラマの作りとしてはこのようなものかと思う。
ただ、この時代、まだ東京ではこれから鹿鳴館の時代になろうかというころであるが、この時代において、家ではなく個人の幸福ということを言うのは、早すぎるようにも思えてならない。家と個人というのは、日本の近代文学において、明治期以降、戦後にいたるまで大きなテーマとして書かれてきたところである。文学史的には、二葉亭四迷の『浮雲』もまだ登場していない(はずである)。
時代考証の点で疑問が残るというところにはなる。
しかし、これからの万太郎と寿恵子のことを考えると、このような展開であってもいいと思う。たぶん、万太郎は寿恵子と一緒に植物の世界の中で生きていくことになるのだろう。そこには、もはや峰屋も槙野の家も関係ないにちがいない。
次週以降、植物学者としての万太郎の新しい生活がはじまる。楽しみに見ることにしよう。
2023年7月1日記
『らんまん』第13週「ヤマザクラ」
万太郎と寿恵子は祝言をあげることになった。
万太郎は寿恵子をつれて土佐に帰った。そこで、故郷の人びとに祝福される。だが、祖母のタキの病状がおもわしくない。タキが元気なうちにということなのだろう、東京から寿恵子の母(まつ)がやってくる。仲人(大畑夫妻)も一緒である。
同時に、竹雄と綾も一緒になって、これからの峰屋をもりたてていくということになった。
この祝言の場面なのだが、タキは、これからは「家」の時代ではない。個人がそれぞれに幸福を追求する時代である……という意味のことを語った。それまでは、本家と分家ということをやかましく言っていたタキが、考え方を変えたことになる。これには、分家の方としては不満もあったようだ。だが、このあたりは、ドラマの作りとしてはこのようなものかと思う。
ただ、この時代、まだ東京ではこれから鹿鳴館の時代になろうかというころであるが、この時代において、家ではなく個人の幸福ということを言うのは、早すぎるようにも思えてならない。家と個人というのは、日本の近代文学において、明治期以降、戦後にいたるまで大きなテーマとして書かれてきたところである。文学史的には、二葉亭四迷の『浮雲』もまだ登場していない(はずである)。
時代考証の点で疑問が残るというところにはなる。
しかし、これからの万太郎と寿恵子のことを考えると、このような展開であってもいいと思う。たぶん、万太郎は寿恵子と一緒に植物の世界の中で生きていくことになるのだろう。そこには、もはや峰屋も槙野の家も関係ないにちがいない。
次週以降、植物学者としての万太郎の新しい生活がはじまる。楽しみに見ることにしよう。
2023年7月1日記
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2023/07/02/9598755/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。