「悪魔の手毬唄」(前編)2026-03-17

2026年3月17日 當山日出夫

「悪魔の手毬唄」(前編)

NHKで作っている、横溝正史原作、金田一耕助のシリーズである。BSP4Kで見た。

『悪魔の手毬唄』は読んだ本である。たしか、高校生か大学生のころになる。角川文庫で、横溝正史の作品が、つぎつぎと刊行されて、『八つ墓村』の映画などがヒットしてころになる。

読んだことは覚えているのだが、内容はさっぱり忘れている。だが、この作品が、ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』にならったものであることは、ミステリとしての常識である。マザーグースの歌のとおりに殺人事件が起こる。それを、横溝正史は、中国山地の山奥にある鬼首村に設定して書いた。鬼首村という名前は、獄門島や、八つ墓村とならんで、いかにも横溝正史らしい。

読んだことは覚えている。内容をすっかり忘れてしまったということではない。おりん婆さんの登場は、覚えている。このことが、作品としては、謎の一つの要素になっている。それから、原作では、遺体の移動のための手段が、読み始めてすぐに出てくる。これは、ミステリを読み慣れている人間なら、ああこれで遺体を運んだにちがいない、とすぐに気のつくことである。横溝正史の作品だから、重いものを運ぶとなると、死体である。

とにかく、登場人物の関係がややこしい。すんなりと、お互いの関係が頭にはいってこない。そして、現在の登場人物の複雑な関係が、過去にあった忌まわしい事件と関連している。このあたりは、『八つ墓村』に似ている。

時代としては、戦後のしばらくのころということだろう。ドラマ版を見るかぎり、明確にいつのこととはしていない。

ドラマの中で出てくる演芸場のシーン、活動写真のシーンは、とてもいい。ただ、原作ではどうだっただろうかと思うが、まったく覚えていない。

今の時代のドラマだから、活動写真の弁士、ということに注釈的な科白をいれなければならないのかとは思うが、だが、金田一京助が、無声映画と活動弁士を知らないということは、設定として無理だろう。

最初の方に出てきたお屋敷の映像は、私の記憶だと、たしか八つ墓村の映画で使ったのと同じように思えたが。これも、今の時代だから、ドラマのロケ地で検索すれば分かることなのだが。

登場している女優さんでは、やはり宮沢りえがいい。それから、白石加代子が圧巻である。

さて、後編を楽しみに見ることにしよう。

2026年3月15日記

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