ドキュメント72時間「鹿児島空港 旅立ちの春に」2024-04-23

2024年4月23日 當山日出夫

ドキュメント72時間 鹿児島空港 旅立ちの春に

バスターミナルとか空港とか、この番組では、旅立ちの季節ならではの情景をあつかっている。今回は、鹿児島空港。

なぜ鹿児島空港なのだろうと思わなくもない。特に変わったところがあるという空港でもないようである。強いていえば、鹿児島県内の離島を結ぶ便があるくらいだろうか。

登場してきている人びとは、ごく普通の人たちである。特に劇的な人生を歩んできたという人は出てきていない。それが、この番組のいいところである。(まあ、時としては、こんな大変な人生もあるんだと、驚かされるようなときもあったりするが。)

就職、それから冠婚葬祭で、人はここをおとずれ、また、旅立っていく。

印象にのこるのは、茨城の総合病院に行くという看護師の女性。就職で鹿児島を離れる友達を見送りにきた、男性二人。それから、チリからのホームステイでやってきた少年を出迎える家族、などであろうか。

また、プロペラ機に乗りたいという子どもの希望のために、大阪からやってきたという父と男の子がいた。こんな子どもの夢をかなえてくれる、こういうのもいいと思う。

鹿児島の人は、情に厚いというべきなのか。空港まで多くの人が見送りに来ている。これが東京だったら、就職で旅立つとしても、玄関先で別れて終わりということが多そうである。

そのように編集してあるのか、総じて、鹿児島を離れる人が多いように感じた。たぶん、全国的な人口の移動からするならば、鹿児島から東京や大阪、あるいは、福岡などに、仕事で移動する人が多いと思われる。(おそらく将来的には鹿児島県は過疎の地域になるかもしれないが、これは少し先の未来のことになる。)

テレビの取材ということもあるのだろうが、鹿児島方言で話す人が出てきていなかったのも、気になったところでもある。NHKの番組の作り方の方針にもよるのかと思うが、この番組では、女性が配偶者のことを「主人」と言った場合、そのまま字幕でも「主人」としていた。他のNHKのニュース番組などだと、「主人」と言っているのを「夫」と言いかえて字幕に表す。私としては、このような場合、訂正せずに話していることばをそのまま使うのがいいと思っている。

2024年4月21日記

フロンティア「恐竜王国 繁栄の秘密」2024-04-23

2024年4月23日 當山日出夫

フロンティア 恐竜王国 繁栄の秘密

恐竜がどうして絶滅したかということについては、巨大隕石の衝突に起因する気候変動ということが、一般的に知られている知識になっているかと思う。しかし、なぜ、恐竜が繁栄することになったのか、ということについては、これまであまりテレビなどで語られることはなかったように思う。

三畳紀のCPEという雨の多かった時代。植物が多くなる。それにともなって、恐竜は生息域をひろげ世界中に(この時代の世界の大陸の地図は現代とはちがっているが)広がって繁栄することになった。

たぶん、おおきな筋書きとしてはこうのなだろうと思うが、競合する他の生物たちに勝てた理由はいったい何なのかということになると、まだ謎は多いようだ。

CPEにおいて雨が降ったのは、火山活動による、CO2、温室効果ガスの増大による水温の上昇によるという。恐竜が繁栄するきっかけになったのも、やはり気候変動によるものになるということらしい。

番組の最後で語っていたことだが、現代の地球にとって気候変動はきわめて重要な課題である。このことを理解するためにも、古代において地球でどのような気候変動があり、それが地球上の生きものにどのような影響を与えてきたのか、俯瞰的な知見が必要になるだろう。今の地球環境問題と短絡的に直結させることはないかもしれないが、しかし、この問題について考える根底に、長い地球の歴史と生命ということが視野に入っている必要がある。

2024年4月19日記