『なつぞら』あれこれ「なつよ、テレビ漫画の幕開けだ」2019-07-28

2019-07-28 當山日出夫(とうやまひでお)

『なつぞら』第17週「なつよ、テレビ漫画の幕開けだ」
https://www.nhk.or.jp/natsuzora/story/17/

前回は、
やまもも書斎記 2019年7月21日
『なつぞら』あれこれ「なつよ、恋の季節が来た」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/07/21/9131386

この週で描いていたのは、主に次の二つのことになるだろう。

第一に、テレビのアニメーションである。

なつは、テレビのアニメーションの担当になる。テレビの場合、映画とはちがっている。コスト、制作期間に制約がある。映画のようなフルアニメーションというわけにはいかない。テレビならではの、絵の描き方がある。そこを、なつは工夫することになる。

このあたりは、実際のテレビのアニメーションの歴史をなぞっていると思える。NHKなのだが、『鉄腕アトム』が登場していた。『腕アトム』は、私も見ていた記憶がある。そして、なつがつくることになる作品のモデルは、『狼少年ケン』だと思うのだが、これも見ている。

そう思ってドラマを見ているせいだろうか、なるほどテレビのアニメーションには、それなりの独特の技法、発想というものがあったことに、改めて気付く。

第二に、雪次郎のこと。

結局、雪次郎は役者の道をあきらめて、故郷にかえって、菓子職人になる。ここで、女優の蘭子が登場するのだが、はたして、彼女の真意はいったいどこにあったのだろうか。ただ、雪次郎をもてあそんだだけなのだろうか。このあたり、ドラマとしては、謎を残したままになっている。

ただ、雪次郎には、帰ることのできる故郷がある。それは、なつについてもいえる。なつは東京でアニメーションの仕事をしているのだが、しかし、故郷というものをもっている。このドラマに限らず、朝ドラがだいたいそうなのだが、帰ることのできる故郷を描いている。これは、おそらく、大多数の日本の人びとの心のなかにある、故郷への思いを語っていることになるのだろう。

以上の二つが、この週で描いていたことかと思う。

次週は、なつをめぐる恋の物語が展開するようだ。楽しみに見ることにしよう。

追記 2019-08-04
この続きは、
やまもも書斎記 2019年8月4日
『なつぞら』あれこれ「なつよ、どうするプロポーズ」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/08/04/9137162