BS世界のドキュメンタリー「傭兵たち ロシアに雇われたアジア人」2025-08-09

2025年8月9日 當山日出夫

BS世界のドキュメンタリー 「傭兵たち ロシアに雇われたアジア人」

2025年、シンガポールの制作。

ロシアとウクライナの戦争で、多くの外国人が戦闘に加わっていることは知られていることだと思うが、その実態は、日本で広く報道されることはないかと思う。

少し前のことになるが、ワグネルのことについては、いろいろとニュースになったが、そこで戦闘にしたがっている人たちが、どういう素性の人たちであるかということは、ほとんどニュースにならなかったと憶えている。囚人が加わっているということはあったかと思うが。

今、もっぱら話題になるのは、北朝鮮の兵士の参加のことであるが、このことについては、この番組では触れていなかった。これは、国家と国家との正規の約束で参加していることになるからだろう。

ネパールやキルギスなどのアジアの国から、ロシアに出稼ぎに行く、それが直接に軍隊で仕事をする(戦争をする)ということもあるし、ほとんどだまされてその仕事につく、というようなケースもあるらしい。

基本的に国民国家の軍隊というのは、その構成員たる国民にこそ、軍隊に入る資格がある(拒否する権利もあっていいが)、ということが根底にあるべきだと思っているのだが、実際の現代の戦争は、かならずしも、国民の軍隊というわけではないことになる。戦争に勝つためなら、何でもやる、ということで考えるべきだろう。

現在、国民国家の軍隊という概念が通用するのは、戦闘がおこなわれている範囲でいうと、イスラエル軍ということになるだろうか。ウクライナ軍は、純然たる国民国家の軍隊というべきなのだろうか、ここは専門家の意見をききたいところである。

番組の趣旨とは関係ないが、気になったこととしては、ネパールの貧しい地方の村でも、スマートフォンを使っている。まあ、スマートフォンの本体自体は、中古で安いのがあるかとも思うが、インターネットの回線の使用料、通信回線のインフラの設備のコスト、これは、どうなっているのだろうか。世界中のどこでも、インターネット接続ができる……それが戦場であっても、ネパールの山奥の村であっても……ということなのだが、そのコストは、誰がどういう形で負担していることになるのだろうか。

シンガポールの制作ということもあるのだろうが、中国のかかわりは、かなり遠慮して作っているという印象がある。中国という国家が、ロシアとどうかかわっていくかということは、これからの世界情勢において大きな問題の一つに違いないが、こういうことには触れずに、非常に個人的な動機で戦争に加わったケースという描き方であった。実は、もっと深いところでつながりがあってもおかしくはないと思ったりもするのだけれど。

2025年8月6日記

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