ザ・バックヤード「横手市増田まんが美術館」2024-04-15

2024年4月15日 當山日出夫

ザ・バックヤード 横手市増田まんが美術館

秋田県にマンガのミュージアムがあることは知っていたが、どんなものかは知らなかった。

「ゴルゴ13」の原画がすべて残っているというのはすごい。

まず思ったことは、素朴な疑問なのであるが、なぜマンガの原稿が残っているのだろうか。作者から、編集者、出版社に渡された原稿は、印刷された後、どうなってしまうのだろうか。常識的に考えれば、残らないと思うのだが、それが残っているということは、マンガ業界における何か特有の慣例でもあるのだろうか。

紙の資料を残すことについて、中性紙の箱にいれて保存するというのは当然のことである。ここでは、それが徹底している。また、温度、湿度の管理も厳重である。

見ていてちょっと気になったこととしては、原画に触れるとき、マスクをするのはいいとしても、手袋をするのはどうなのだろうか。これが、古文書や古典籍などの場合だと、手を洗って素手で触るのが基本なのであるが。現代の紙の資料では、あつかいが異なるということでいいのだろうか。

それから、マンガの原画を残すといっても、最近の作家は、デジタルで描いていると思うが、このような場合、そのデータを残すということになるのだろうか。できれば、その時に使用した機材なども残しておくと、将来的には貴重なものになるにちがいない。

マンガの原画は確かに貴重であることは言うまでもないのだが、しかし、漫画家はそれが印刷され雑誌などに掲載されるときのこともイメージして描いているはずである。読者が見るのは印刷されたものである。では、マンガにとって、どちらが本物ということになるのだろうか。

このような議論は、小説のような分野においても、自筆原稿と雑誌掲載、単行本、などの各種のテクストをめぐっておこる問題でもある。

マンガの原画の保存については、文化庁もかかわっている。まあ、たまには文化庁もいいことをやっている、と考えるのは天邪鬼にすぎるかもしれないが。

2024年4月12日記

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